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執筆:二級建築士 安藤勉
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増築しなくても、今ある部屋の一角や押入れなどのスペースを活用して、小さな書斎を後から作ることは可能です。
ただし、壁で完全に囲い「部屋」にする場合は、採光や換気などの確認が必要です。
今回は、家の中に小さな書斎を後付けする方法と、工事前に確認したいポイントを紹介します。
1~2畳でも書斎はつくれる
書斎というと、4~6畳ほどの個室をイメージするかもしれません。
しかし、パソコンで仕事をしたり、読書をしたりするだけなら、1~2畳でも十分な場合があります。
たとえば、
- デスクを置く
- 椅子を置く
- コンセントを増やす
- 照明を設置する
- 書類や本を収納する
といった使い方なら、それほど広いスペースは必要ありません。
小さな書斎を後からつくる5つの方法
1.部屋の一角を壁で仕切る
最も分かりやすい方法が、現在の部屋の一角を仕切る方法です。
たとえば、リビングの一角に1~2畳ほどのスペースを確保します。
壁を新設して個室にしたり、腰壁と建具を組み合わせたりできます。
完全な個室にする必要がなければ、ガラスや室内窓を使って圧迫感を抑える方法もあります。
ただし、天井まで壁をつくると部屋が狭く感じるため、「書斎として使えること」と「リビングの使いやすさ」の両方を考えることが大切です。
2.押入れや収納スペースを活用する
使っていない押入れなどを、デスクスペースとして活用する方法もあります。
内部を撤去して作業机や棚を設置すれば、1畳程度でも書斎として使える場合があります。
ただし、押入れはもともと人が長時間過ごす場所としてつくられていません。
奥行きや高さだけでなく、照明やコンセントの設置、熱がこもらないかなども確認しましょう。
3.廊下やホールの一部を使う
廊下の突き当たりや、ホールに少し余裕がある家なら、その一部を書斎やワークスペースにする方法があります。
壁で囲わず、カウンターと収納だけを設置すれば、工事を抑えながら書斎スペースをつくれます。
この方法なら、使わないときも圧迫感が出にくいのがメリットです。一方で、通路幅が狭くならないかは必ず確認してください。
4.階段下を活用する
階段下に空間がある場合は、そこをデスクスペースにできることがあります。
1~2畳程度の小さな書斎なら、階段下のような変形した空間も活用しやすいでしょう。
ただし、天井の高さが場所によって変わるため、デスクや椅子を置いたときに頭が当たらないか確認が必要です。
照明やコンセントの位置も、実際の使い方を考えて決めましょう。
5.家具や建具でゆるく仕切る
「完全な個室までは必要ない」という場合は、家具や建具で仕切る方法もあります。
たとえば、収納棚や引き戸などを使って、リビングの一角を仕事スペースにします。
壁を新しくつくらないため、将来的に元へ戻しやすいのもメリットです。
特に、夫婦2人暮らしになって使わなくなった子ども部屋などがある場合は、部屋の一部だけを仕切って書斎にする方法も考えられます。
1~2畳の書斎で失敗しやすいポイント
小さな書斎は、スペースが限られているからこそ、最初の計画が重要です。
デスクを置いたら通れなくなった
1~2畳では、デスクを置くと想像以上にスペースがなくなります。
「机が入るか」だけではなく、椅子を引いたときのスペースまで確認しましょう。
収納を増やしすぎると、さらに狭くなります。書類や本をたくさん置く予定なら、壁面収納などを検討します。
コンセントが足りない
パソコンだけでも、電源が必要な機器は意外と増えます。
パソコン、モニター、照明、スマートフォンの充電器などを考えると、床や壁から延長コードを伸ばすだけでは使いにくくなることがあります。
リフォームの段階で、必要なコンセント数と位置を決めておきましょう。
暗くて使いにくい
小さな書斎は、窓から離れた場所につくることもあります。
その場合は、照明計画が重要です。
特にパソコン作業では、手元が暗すぎたり、画面に照明が映り込んだりしないようにします。
完全な個室にする場合は「居室」かどうかも確認
ここは、小さな書斎をつくるときに見落としやすいポイントです。
単にデスクスペースをつくるだけなら、比較的自由に計画できます。
一方、壁や建具で囲って独立した「部屋」にする場合は、建築基準法上の「居室」に該当するかどうかを確認する必要があります。
居室は、原則として採光のための窓や、換気機能が必要になります。
そのため、「1畳だから大丈夫」「小さい部屋だから法律は関係ない」とは考えないようにしましょう。
書斎として使う予定のスペースを壁で囲う場合は、リフォーム会社に「このスペースは居室として扱う必要がありますか」と確認すると安心です。
リフォーム会社には何を伝えればいい?
リフォーム会社に相談するときは、単に「1畳の書斎がほしい」と伝えるだけでは不十分です。
次のことを伝えておきましょう。
- 何に使う書斎なのか
- デスクの大きさ
- パソコンやモニターの数
- 本や書類を収納する量
- 扉を閉めたいか
- 家族がいるときも使うか
- 将来、別の用途に戻す可能性があるか
特に重要なのが「将来どう使うか」です。
現在は仕事用でも、将来は読書スペースや趣味の場所にするかもしれません。
最初から用途を限定しすぎないほうが、長く使いやすい書斎になります。
見積りを取るときは、工事内容だけでなく、どこまでが見積りに含まれているかも確認しましょう。
1~2畳の書斎は「場所選び」が一番重要
家の中に小さな書斎を後からつくることは可能です。
しかも、1~2畳程度なら、新しい部屋を大きく増やす必要はありません。部屋の一角、押入れ、廊下、階段下など、今ある空間を活用できます。
ただし、デスクを置くだけでは使いやすい書斎になりません。
通路幅、椅子を引くスペース、照明、コンセント、収納、換気などをまとめて考えることが大切です。
また、特に壁で囲って独立した部屋にする場合は、採光など建築基準法上の確認も必要です。
まずは「どこなら1~2畳を確保できるか」を家の中で探してみましょう。
そのうえで、現在の間取りを見てもらい、どこまで工事が必要なのかをリフォーム会社に相談するのがおすすめです。
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