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執筆:二級建築士 安藤勉
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「今の天井が低くて圧迫感がある」
「天井を取って、もっと開放感のある部屋にしたい」
天井が撤去できれば、開放感のある空間にすることが可能です。しかしながら、天井を壊せば必ず高くできるわけではありません。
天井裏には、梁や屋根の構造材だけでなく、断熱材、電気配線、換気設備などが入っていることがあります。
そのため、まずは「天井裏にどのくらいの空間があるのか」を確認することが大切です。
天井裏を確認しないと高さは分からない
天井を高くできるか判断するとき、まず確認したいのが天井裏です。
梁や小屋組の位置
天井の上には、屋根を支えるための梁や小屋組などがあります。
これらは建物の構造に関係しているため、単純に撤去したり移動はできません。
既存の天井から梁や小屋組までの寸法がどれくらいあるか?確認が必要です。
断熱材の位置
屋根や天井には、住宅の断熱性能を保つための断熱材が入っています。
天井裏の断熱材がどのように入っているか?断面図や、実際に覗いて確認が必要です。
天井を高くしたことで、夏暑く、冬寒い部屋にならないよう、断熱についても工事前に確認しましょう。
電気配線や換気設備
天井裏には、照明やコンセントにつながる電気配線、換気設備のダクトなどが通っていることがあります。
天井を撤去すると、これらを移動したり、見えないように整理したりする必要が出てくる場合があります。
天井を高くする方法は一つではない
天井を高くしたい場合、必ずしも屋根裏まで見せる必要はありません。
住宅の構造によって、次のような方法を検討できます。
| 方法 | 特徴 |
| 天井を少し上げる | 現在より開放感を出しやすい |
| 梁を見せる | 構造材をデザインとして利用できる |
| 勾配天井にする | 屋根の形に沿って高さを出せる |
| 一部だけ高くする | 費用や工事範囲を抑えやすい場合がある |
| 天井を撤去して直天井にする | 構造や設備の状態によって検討できる |
「できるだけ高くしたい」と考えても、実際には梁や設備があるため、住宅ごとにできることが違います。
そのため、何cm高くできるかを先に決めるのではなく、現在の天井裏を確認してから方法を決めるのが基本です。
天井を高くすると開放感だけでなく暮らしも変わる
天井が高くなると、部屋が広く感じられますが、一方で、高くすればするほど暮らしやすくなるとは限りません。
たとえば、天井が高くなると照明器具の交換や掃除がしにくくなる場合があります。
また、空間が大きくなることで、冷暖房の効き方が変わることもあります。
特に暖房時、暖かい空気が上にたまりやすいため、サーキュレーターやシーリングファンなど、空気を循環させる方法が必要になることがあります。
さらに、梁や屋根裏を見せる仕上げでは、配線や空調設備が目立つ可能性もあります。
「天井が高くなった」というメリットだけでなく、完成後の掃除、照明、空調まで考えておくことが大切です。
天井を撤去するときに注意したいこと
古い住宅では天井材やその周辺にアスベストを含む建材が使用されている可能性があります。
そのため、築年数が古い住宅では、工事前に天井材の種類などを確認しておくと安心です。
2006年(平成18年)9月以前に建てられた住宅の場合は、特に注意が必要です。
天井リフォームで業者に聞きたいこと
天井を高くするリフォームでは、次のような質問をしてみてください。
「今の天井から、どこまで高さできますか?」
「梁を撤去・移動する必要はありませんか?」
「断熱はどのように施工しますか?」
「電気配線や換気設備はどうなりますか?」
「梁を見せる仕上げにできますか?」
「天井はどんな仕上げになりますか?」
「完成後の照明交換や掃除はしやすいですか?」
「アスベストが含まれていることはありませんか?」
こうした質問をすると、完成後の暮らしまで考えた提案かどうかを確認しやすくなります。
見積りを比較するときも、天井材の撤去だけでなく、断熱、電気、換気、照明、内装などの工事がどこまで含まれているかを確認してください。
天井を高くする以外にも開放感を出す方法がある
「部屋を広く感じさせたい」という目的なら、天井を高くすることだけが手段ではありません。
たとえば、間仕切りを減らして視線が抜けるようにしたり、建具を変更したり、照明の配置を見直したりする方法で開放感を得られることもあります。
また、部屋全体ではなく、一部分だけ天井を高くする方法もあります。
「天井を高くしたい」だけで工事を決めるのではなく、「なぜ開放感がほしいのか」を考えてみることも大切です。
まとめ
今ある天井を撤去して、天井が高くなれば、開放感のある空間ができあがります。
ただし、天井を撤去すれば終わりではありません。
梁や屋根の構造、断熱材、電気配線、換気設備などによって、できることが変わります。
特に確認したいのは、
- 天井裏にどれくらい空間があるか
- 梁や小屋組がどこにあるか
- 断熱をどうするか
- 配線や換気設備をどう処理するか
- 完成後の空調や照明は使いやすいか
という点です。
「天井を高くできます」と言われた場合も、完成後にどのような状態になるのかまで確認してください。
部分的に天井を高くする方法や、間取り・照明などを見直す方法も含めて、自宅に合った方法を提案してくれる会社に相談することをおすすめします。
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