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執筆:二級建築士 安藤勉
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和室をあまり使わなくなったので、洋室に変えたい。
このような場合、畳をフローリングに交換するだけでなく、押入れなどの収納スペース、襖、障子などの建具も一緒に見直すと、使いやすい洋室になります。
今後、新しくなった洋室をどう活用するか?も重要です。
見た目だけキレイになっても、使い勝手が悪ければもったいないリフォームになってしまいます。
私たちは20年以上、全国のリフォーム会社の調査や、お客様からのご相談を受けてきました。
その経験をもとに、和室を洋室へリフォームするときの確認ポイントを分かりやすく解説します。
和室を洋室にすると何が変わる?
和室を「洋室にしたい」といっても、必要な工事は一律ではありません。
畳をフローリングに変える
最も分かりやすいのが床です。
畳を撤去して、フローリングなどの床材に変更します。
ただし、畳とフローリングでは厚みが違うため、単純に畳を外してフローリングを置くだけでは済まない場合があります。
床下地の調整を行い、廊下や、部屋との高さを合わせる工事が必要になります。
床の境目に段差が残らないか?工事前に確認しておきましょう。
押入れをクローゼットに変える
和室の押入れを、そのまま収納として使うこともできますが、不便な場合はクローゼットに変更しましょう。
例えば、クローゼットの内部にハンガーパイプを設置すれば、洋服を掛けて収納できます。
押入れの中段を撤去して、衣類や掃除用品などを収納しやすくする方法もあります。
ただし、押入れに布団を収納する場合は、中断を残して置いた方が便利な場合があります。
襖を洋風の建具に変える
襖も、和室らしさが出やすい部分です。
洋室に変更するなら、木製や洋風の引き戸に変えると雰囲気がガラッと変わります。
障子をどうするか
障子も和室らしさを感じやすい部分です。
洋室にする場合は、障子を撤去してカーテン、またはロールスクリーンに変更する方法もあります。
洋室にする目的が「洋風の見た目」なのか、「ベッドや家具を置きやすくすること」なのかで、必要な工事は変わります。
和室を洋室にする前に確認したい4つのこと
和室のリフォームでは、見た目だけで工事内容を決めないことが大切です。
特に次の4つを確認しておきましょう。
ベッドや家具を置いたときに使いやすいか
洋室に変更すると、布団ではなくベッドを置くケースが増えます。
そのため、ベッドを置いた場合に、出入りするスペースが十分に残るか確認しておきましょう。
ベッドだけでなく、タンスや収納家具、机などを置く場合も同じです。
「何畳の洋室になるか」だけでなく、「家具を置いた後にどう使うか」まで考えることが重要です。
収納量は十分足りるか
押入れをクローゼットにすると、洋服は収納しやすくなります。
一方で、押入れに布団や季節用品をたくさん収納している場合、収納方法が変わることで使いにくくなることがあります。
今の押入れに何を収納しているのかを整理してから、クローゼットの内部を決めましょう。
床の高さはどうなるか
畳からフローリングへ変更する場合、床の高さを確認する必要があります。
隣の部屋や廊下との間に段差ができると、日常生活で気になることがあります。
特に将来のことも考えるなら、できるだけ段差を抑えられるか確認しておくと安心です。
窓まわりをどうするか
障子を撤去する場合は、窓まわりの仕上げも変わります。
カーテンにするのか、ロールスクリーンにするのか。
家具を窓の近くに置くのか。
窓の開け閉めがしやすいか。
こうした部分まで考えると、完成後の使い勝手をイメージしやすくなります。
和室を洋室にする3つのリフォーム方法
どこまで変更するかによって、工事の範囲も変わります。
床だけをフローリングにする
最もシンプルなのが、畳をフローリングなどに変更する方法です。
押入れや襖はそのまま残します。
和室らしい部分を残しながら、ベッドや洋家具を置きやすくしたい場合に向いています。
工事範囲が比較的小さいため、「金額を抑えて洋室に変更したい」という場合がおすすめです。
床と収納を変更する
畳をフローリングに変更し、さらに押入れをクローゼットへ変更します。
洋室としての使いやすさを高めたい場合に検討しやすい方法です。
特に寝室として使う場合は、ベッドと衣類を収納しやすくなるため、和室だった頃とは使い方が大きく変わります。
部屋全体を洋室に変更する
床、収納、襖、障子、壁、天井などをまとめて変更します。
和室らしさをできるだけなくして、洋室として統一したい場合に向いています。
ただし、工事範囲が広くなるほど、費用や工事期間も大きくなります。
そのため、「洋室にするために本当に必要な工事はどこまでか」を考えてから決めることが大切です。
リフォーム会社が現地で確認すること
和室から洋室への変更は、リフォーム会社には、現地で次のような部分を確認してもらいましょう。
畳を外した後の床下
畳を撤去した後、フローリングを施工するための下地を確認します。
床の高さや下地の状態によって、必要な工事が変わってきますし、断熱材が入ってない場合は、敷き込んでもらうことをおすすめします。
柱や壁の位置
押入れをクローゼットに変更したり、壁を変更したりする場合は、柱や壁の位置も確認が必要です。
「収納を大きくしたい」と思っても、建物の構造や配線などによって希望どおりに変更できない場合があります。
和室の柱が見える真壁工法をやめて、柱が見えない大壁工法にすると雰囲気が大きく変わります。
電気・コンセント
洋室として使うなら、照明やコンセントの位置も確認しておきたいところです。
ベッドや机を置いたとき、コンセントが家具の裏側になってしまわないかも考えておきましょう。
エアコンの位置
和室を寝室などに変更する場合、エアコンの位置も確認しておきましょう。
家具を置く場所によっては、エアコンの風が直接当たるなど、使い勝手に影響することがあります。
洋室にしたのに「思っていた部屋と違う」とならないために
和室を洋室にする場合、「畳をフローリングにする」という部分だけに注目すると、完成後にイメージとの違いが出ることがあります。
例えば、
「押入れが使いにくい」
「ベッドを置いたら狭く感じる」
「収納する場所が足りない」
「コンセントが家具の後ろになった」
「隣の部屋との段差が気になる」
といった問題です。
こうした問題は、工事そのものが失敗しているわけではありません。
工事前に「その部屋をどう使うのか」まで決めていなかったことが原因です。
例えば寝室にするなら、ベッドをどこに置くか。
子ども部屋にするなら、机や収納をどこに置くか。
夫婦の部屋にするなら、衣類や布団をどこに収納するか。
先に家具や物の配置を考えておくと、必要な工事も見えやすくなります。
「洋室にできます」と言われたら何を確認する?
リフォーム会社に相談するときは、「和室を洋室にしたい」だけで終わらせないことが大切です。
例えば、次のように確認してみましょう。
「廊下や隣の部屋との段差はなくせますか?」
「押入れはクローゼットにできますか?」
「襖や障子は残したほうがよいですか?」
「ベッドを置いた場合の動線は問題ありませんか?」
「コンセントはどこに移動できますか?」
「この部屋を寝室として使う場合、変更したほうがよいところはありますか?」
こうした質問をすると、単に「洋室にする工事」ではなく、「洋室にした後の暮らし」まで確認できます。
また、複数の会社に相談する場合は、同じ希望を伝えて、どこまで工事が必要と考えるかを比較してみるのも一つの方法です。
まとめ
和室を洋室に変更するリフォームは可能です。
ただし、畳をフローリングに変えるだけでなく、押入れ、襖、障子、床の高さ、照明、コンセントなども確認することが大切です。
特に注意したいのは、見た目だけを洋室に変えてしまうことです。
ベッドや家具を置いたときの動線や、押入れに収納していた物の行き先まで考えておくと、完成後も使いやすい部屋にしやすくなります。
また、すべてを変更する必要があるわけではありません。
畳だけを変える方法や、押入れを残す方法など、今の暮らしに合わせて工事範囲を決められます。
「洋室にしたい」という希望だけでなく、「洋室にして何をしたいのか」をリフォーム会社に伝えてみましょう。
その目的に合わせて、必要な工事と不要な工事を分けて提案してくれるかを確認することが、リフォーム会社選びの一つの判断材料になります。
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