【この記事は約3分で読めます】
執筆:二級建築士 安藤勉
→詳しいプロフィールはこちら
「畳でくつろげる場所が欲しい」
「孫が帰省するので布団を敷ける部屋をつくりたい」
このような場合、洋室を和室にリフォームできれば解決します。しかしながら、必ずしも洋室全体を和室に作り替える必要はありません。
部屋はそのままで、フローリングの上に「畳コーナー」を設けたり、床を少し高く「小上がり」にする方法もあります。
一方で、畳を置くだけでは、昔ながらの和室と同じ使い方、雰囲気を出すことは困難です。
私たちは20年以上、全国のリフォーム会社の調査や、お客様からのご相談を受けてきました。
その経験をもとに、洋室に後から畳の部屋をつくる方法と、工事前に確認したいポイントを解説します。
洋室を和室にすることはできる?
洋室を和室へ変更するリフォームは可能です。
ただし、「和室にする」といっても、工事の範囲はさまざまです。
例えば、
・フローリングを畳に変更する
・洋室の一部を畳コーナーにする
・小上がりの畳スペースをつくる
・押入れをつくる
・襖や障子を設置する
・壁や天井を和室らしい仕上げにする
などがあります。
本格的な和室にしたい場合は、床だけでなく、収納や建具まで変更することになります。
一方、「畳で横になれる場所が欲しい」という目的なら、洋室の一角に畳を設けるだけでも十分な場合があります。
そのため、最初に考えたいのは、「和室そのものが欲しいのか」「畳を使える場所が欲しいのか」という違いです。
ここを決めると、必要な工事が大きく変わります。
洋室に畳の部屋をつくる3つの方法
洋室を和室に変える方法は、大きく3つ考えられます。
洋室全体を畳敷きにする
最も分かりやすいのが、洋室のフローリングを畳に変更する方法です。
部屋全体に畳を敷けば、布団を敷いて寝たり、床に座ったりできる和室として使いやすくなります。
ただし、畳はフローリングより厚みがあるため、床の高さを確認する必要があります。
隣の部屋や廊下との間に段差ができないか、ドアが畳に干渉しないかなどを確認しましょう。
洋室の一部を畳コーナーにする
部屋全体を和室にせず、一部分だけ畳にする方法です。
畳コーナーは、リビングなどの洋室の一角に設けることもできます。
畳をフローリングと同じ高さにすれば、部屋の一部として使いやすくなります。
必要なときだけ畳で横になったり、座ってくつろいだりできます。
「和室は欲しいけれど、普段は洋室として広く使いたい」という場合に検討しやすい方法です。
小上がりの畳スペースをつくる
畳部分をフローリングより少し高くする方法です。いわゆる「小上がり」と呼ばれるタイプです。
一方で、小上がりには段差ができます。
足を引っかけたり、つまずいたりする可能性があるため、家族の年齢や将来の使い方まで考えて高さを決めることが大切です。
「畳が欲しい」という目的だけでなく、「段差があっても使いやすいか」を考えましょう。
畳を入れる前に確認したい4つのこと
洋室に後から畳を入れる場合、畳そのものよりも周辺の納まりが重要になります。
フローリングとの高さをどうするか
畳をフローリングの上にそのまま置くと、畳の分だけ床が高くなります。
畳には厚みがあるため、床を同じ高さにする場合は、床を下げるなど、下地を調整するなどの工事が必要になることがあります。
逆に、置き畳のように床の高さを変えずに後から設置できる方法もあります。
どちらを選ぶかによって、工事内容が変わります。
特に、出入口や廊下との境目に段差ができないか確認しておきましょう。
ドアが畳に当たらないか
意外と見落としやすいのがドアです。
畳を追加することで床が高くなると、開き戸の下端が畳に当たる可能性があります。
押入れやクローゼットの扉も同様です。
畳を入れる前に、ドアや収納扉の開閉に問題がないか確認しておきましょう。
畳をどこまで敷くか
部屋全体を畳にする必要がなければ、一部分だけ畳にする方法もあります。
例えば6畳の洋室の一角だけを畳にする方法です。
畳の面積が小さければ、洋室としての家具配置も残しやすくなります。
一方で、畳を中途半端な位置に設けると、家具が置きにくくなる場合があります。
ソファやベッド、テーブルなどの位置を先に考えておくと安心です。
将来、元に戻せるか
「今は畳が欲しいけれど、将来はまた洋室に戻したい」という場合もあります。
その場合は、置き畳や後付けできる畳コーナーなど、取り外しやすい方法を検討できます。
一方、床そのものを畳敷きに変更すると、元のフローリングに戻す際に再び工事が必要になります。
数年後の使い方まで考えて、固定する方法と後から外せる方法を選びましょう。
畳だけでなく押入れや建具も必要?
「和室にするなら、押入れや襖も必要なの?」と疑問に思う方もいるでしょう。
結論として、必ず必要というわけではありません。
畳だけを設置して、洋室のクローゼットやドアをそのまま使うこともできます。
むしろ、現在の収納や建具が使いやすいなら、無理に変更しない方法もあります。
押入れをつくる
布団を毎日使うなら、布団を収納できる場所が必要になります。
洋室のクローゼットは衣類向けの奥行きになっていることもあるため、布団を収納するには使いにくい場合があります。
畳の部屋を寝室として使うなら、布団をどこにしまうのかを先に考えておきましょう。
襖に変更する
和室らしい雰囲気を出したい場合は、ドアを襖や引き戸に変更する方法があります。
ただし、和室としての見た目を重視しないのであれば、現在のドアをそのまま使う方法もあります。
「和室らしくしたい」のか、「畳を使えるようにしたい」のかで必要性が変わります。
障子をつける
窓にカーテンがあるなら、そのまま使うこともできますが、和室の雰囲気を出すなら、障子を入れるとガラッと雰囲気が変わります。
障子を設けると和室らしい雰囲気になりますが、掃除や張り替えなどの手入れも必要になります。
見た目だけで決めず、実際の使い方まで考えましょう。
「畳の部屋にしたのに使いにくい」を防ぐには
畳を設置すれば、すぐに和室として快適になるとは限りません。
例えば、
「畳を入れたら家具を置く場所がなくなった」
「布団を敷いたら収納が足りない」
「小上がりの段差が気になる」
「ドアが畳に当たる」
「畳とフローリングの境目が使いにくい」
といったことがあります。
こうした問題を防ぐには、畳を入れる前に「その場所で何をするか」を決めておくことが大切です。
例えば、
・昼寝をする
・布団を敷いて寝る
・洗濯物をたたむ
・来客時に使う
・読書や趣味を楽しむ
などです。
目的が決まれば、必要な畳の広さや収納、照明、コンセントの位置も考えやすくなります。
リフォーム会社が現地で確認すること
洋室を和室に変更する場合、リフォーム会社には畳を置く場所だけでなく、周辺も確認してもらいましょう。
現在の床の高さ
フローリングの高さと、畳を設置した場合の高さを確認します。
フラットに仕上げるのか、小上がりにするのかによって工事方法が変わります。
床下の状態
床を解体して畳を埋め込む場合などは、床下の状態を確認する必要があります。
下地の状態や高さによって、希望する仕上がりにできない場合もあります。
ドア・収納扉の開閉
畳を入れた後も、部屋のドアや収納扉が問題なく開閉できるか確認します。
特に床を高くする場合は、扉との干渉に注意が必要です。
エアコン・コンセント
畳の上で寝たり、座ったりする場合は、コンセントや照明の位置も変わってきます。
布団を敷いたときにコンセントが使えるか。
照明のスイッチまで移動しやすいか。
こうした使い勝手も確認しておきましょう。
収納の使い方
布団を使うなら、収納場所までセットで考えます。
押入れを新設するのか、現在のクローゼットを使うのか。
小上がりの下を収納にする方法もあります。
ただし、収納量だけでなく、物を出し入れしやすいかまで確認することが大切です。
洋室を「畳をどう使うか」を考える
洋室を和室に変更することはできます。
ただし、必ずしも洋室全体を畳の部屋にする必要はありません。
畳コーナーや小上がり、置き畳などを使えば、洋室の一部に畳の空間をつくることもできます。
一方、布団を敷いて寝るなど、本格的な和室として使いたい場合は、畳だけでなく収納や建具まで考える必要があります。
大切なのは、「和室をつくること」ではなく、「その部屋で何をしたいのか」を先に決めることです。
例えば、
・畳で横になりたい
・布団を敷いて寝たい
・来客時だけ使いたい
・普段は洋室として使いたい
など、目的によって適したリフォーム方法は変わります。
また、今後も洋室として使う可能性があるなら、置き畳や畳コーナーなど、後から変更しやすい方法も検討できます。
反対に、和室として長く使う予定なら、畳だけでなく押入れや建具、照明なども含めて計画したほうが使いやすくなります。
リフォーム会社に相談するときは、「和室にしてください」と伝えるだけでなく、実際の使い方まで伝え、プランを考えてもらいましょう。
会社選びで迷う方へ
リフォームで失敗しないための知識は「青本・赤本」にまとめています。

※NHKでも紹介された冊子です
※累計100万部発行