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執筆:二級建築士 安藤勉
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リビングの隣にある和室を解体して、広いLDKに間取り変更することは可能です。
ただし、和室とリビングをつなげる方法は一つではありません。
畳をフローリングに変えて完全に一体化する方法もあれば、引き戸を残して仕切れるようにする方法もあります。
また、リビング和室との間の壁を撤去できるかどうかも、実際の建物を確認しなければ判断できません。
私たちは20年以上、全国のリフォーム会社の調査や、お客様からのご相談を受けてきました。
その経験をもとに、和室とリビングをつなげるときに確認したいポイントを分かりやすく解説します。
和室とリビングをつなげる3つの方法
和室とリビングをつなげる方法は、完全に一つの部屋にする方法だけではありません。
将来の使い方まで考えて間取りを選ぶことが大切です。
和室を全部解体して完全に一体化する
和室をまるごと解体、リビングとの間仕切りも撤去し、一つのLDKとして使う方法です。
和室の畳をフローリングに変更し、壁や天井の仕上げもリビング側に合わせることで、一体感のある空間になります。
「和室をほとんど使っていない」
「家族が集まる場所を広くしたい」
という場合におすすめの間取りです。
ただし、押入れや床の間までなくす場合は、収納や物の置き場所も同時に考える必要があります。
引き戸を残して必要なときだけ仕切る
和室を完全になくすのではなく、引き戸などで仕切れるようにする方法もあります。
普段は扉を開けてLDKの一部として使い、来客時などには閉めて別の空間にできます。
「広いLDKが欲しいけれど、部屋として使える場所も残したい」
という場合に向いています。
和室の雰囲気を残してLDKとつなげる
畳を残したまま、リビングとの間仕切りだけを変更する方法もあります。
例えば、和室とリビングの間にあった壁を引き込み戸に変更すると、閉めれば和室、開ければLDKの一部として使えます。
この方法なら、和室の「客間」「昼寝スペース」「一時的な家事スペース」といった活用ができます。
和室とリビングをつなげる前に確認したい4つのこと
和室をLDKに取り込む場合、広さだけを見て決めると後から困ることがあります。
特に確認したいのが次の4つです。
和室との間の壁を撤去できるか
最初に確認したいのが、リビングと和室の間にある壁です。
間仕切り壁に見えても、構造上重要な壁や柱が含まれている場合があります。
どうしても柱が残る場合は、柱をLDKのデザインに取り込む方法もあります。
見積り依頼先には「壁を全部なくせるか」だけでなく、「残る部分をどう活かすか」まで相談するとよいでしょう。
畳とフローリングの段差はどうするか
和室とリビングをつなげる場合、畳とフローリングの高さが違うことがあります。
小さな段差でも、毎日の生活では気になりますので、床の高さを調整してフラットにする工事が必要になります。
押入れや床の間をどうするか
和室をLDKに取り込むとき、押入れや仏間、床の間スペースをどうするか?考える必要があります。
押入れなどを部屋にして、LDKを広くすることだけを優先してしまうと、収納不足になる可能性があります。
「今、和室の収納に何を入れているか」「どこにしまうか?」を確認してから計画しましょう。
和室をなくした後の使い方を考える
和室には、リビングとは違う役割があります。
例えば、
・来客時の客間
・昼寝をする場所
・洗濯物をたたむ場所
・子どもや孫が泊まる場所
・将来の寝室
などです。
今は使っていなくても、将来も必要ないとは限りません。
そのため、完全にLDKへ取り込むのか、引き戸で仕切れるようにするのかを、今後の暮らしも含めて考えることが重要です。
和室をLDKに取り込んだら「広くて便利になる」とは限らない
和室をなくして面積が増えても、必ずしも使いやすいLDKになるとは限りません。
例えば、和室側にあった通路をLDKの中に取り込むことで、家族がリビングを横切るようになることがあります。
また、和室をなくしたことで収納が減れば、LDKに物が出てしまうこともあります。
さらに、家具を配置すると、「思ったほど広く感じない」ということもあります。
そのため、間取りを見るときは「何畳になるか」だけでなく、
「ソファはどこに置くか」
「ダイニングテーブルは置けるか」
「テレビを見る場所はどこか」
「人はどこを通るか」
まで考えてみましょう。
リフォーム会社は現地で何を確認する?
和室とリビングをつなげられるかは、現地調査で確認してもらうことが重要です。
特に次のような点を確認してもらいましょう。
壁・柱・梁の位置
間仕切り壁を撤去できるかを確認します。
壁の中の柱や筋交い、梁なども確認が必要です。
「壁を取れます」と言われた場合も、「柱や梁は残りますか?」「補強は必要ですか?」と聞いておくと判断しやすくなります。
床の高さ
畳とフローリングの高さを確認します。
床をフラットにつなぐ場合、下地の調整が必要になることがあります。
照明・コンセント・エアコン
和室をLDKにすると、照明やコンセントの位置も変わる可能性があります。
エアコンの位置や、テレビ・家具の配置まで考えておくと、完成後の使い勝手をイメージしやすくなります。
収納と建具
押入れを残すのか、クローゼットに変更するのか。
また、襖を撤去するのか、引き戸として残すのかも確認します。
図面と現在の家が一致しているか
築年数の経った住宅では、過去のリフォームなどによって図面と現在の状態が異なることもあります。
そのため、図面だけで判断せず、実際の建物を見てもらうことが大切です。
「和室をなくしてLDKにできます」と言われたら確認したいこと
リフォーム会社から「できます」と言われたら、次のことを確認してみましょう。
「どの壁まで撤去できますか?」
「柱や梁は残りますか?」
「床の段差はなくせますか?」
「畳はフローリングに変更しますか?」
「押入れはどうなりますか?」
「引き戸を残す方法もできますか?」
「LDKにした後、家族の動線はどうなりますか?」
特に大切なのは、完全に一体化する方法だけを前提にしないことです。
例えば、
「壁を完全に撤去する」
「引き戸を残す、または作りかえる」
「和室の一部だけをLDKに取り込む」
など、複数の方法を比較してみると、自分の暮らしに合う間取りを考えやすくなります。
また、複数社から見積りを取る場合は、総額だけでなく、壁の撤去、床の高さ調整、建具、収納、内装など、どこまで工事に含まれているかを確認しましょう。
和室とリビングをつなげるなら「完全に壊す」以外も考える
和室とリビングをつなげて広いLDKにすることは可能ですが、必ずしも和室を完全になくす必要はありません。
引き戸があると、普段は広いLDKとして使いながら、必要なときには部屋として使えます。
どちらが合っているかは、現在の家族構成や収納量、来客の有無、将来の暮らし方によって変わります。
大切なのは、「和室をなくしたい」ではなく、「和室をなくして、どんな暮らしにしたいのか」を考えることです。
リフォーム会社に相談するときも、「和室をなくして欲しい」と伝えるだけでなく、LDKを広くしたい理由や、残したい機能を伝えてましょう。
そのうえで、最適な提案をしてくれるリフォーム会社を選ぶと安心です。
まとめ
和室とリビングをつなげて、広いLDKにするリフォームは可能です。
ただし、単純に間仕切りを撤去するだけではありません。
壁や柱などの構造、畳とフローリングの段差、押入れなどの収納、照明やコンセント、完成後の動線まで確認する必要があります。
また、和室を完全になくす方法だけでなく、引き戸を残して必要なときに仕切れるようにする方法もあります。
「広いLDKにしたい」という希望だけでなく、「和室をなくした後に何をしたいのか」まで考えておくことが大切です。
リフォーム会社に相談するときは、「なぜできるのか」「何が残るのか」「完成後の暮らしはどう変わるのか」まで確認してみましょう。
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