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和瓦の寿命は何年?長持ちする理由とメンテナンス時期を建築士が解説

【この記事は約5分で読めます】
執筆:二級建築士 安藤勉
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「和瓦は何年くらい持つの?」
「瓦は一生使えると聞いたけれど本当?」
「築40年だけれど、屋根工事は必要なのかな。」

和瓦について、このようなご相談をいただくことがあります。

和瓦は、日本の住宅で古くから使われてきた屋根材です。

耐久性が高く、適切にメンテナンスすれば非常に長く使えることが特徴です。

しかし、「和瓦はメンテナンス不要」というわけではありません。

私たちは20年以上、全国のリフォーム会社選びに携わってきました。

その中で感じるのは、和瓦そのものよりも、漆喰や棟瓦、防水シートなど周辺部分の劣化を見逃さないことが重要だということです。

今回は、和瓦の寿命や劣化症状、必要なメンテナンスについて解説します。

和瓦の寿命は50年以上使えることもある

和瓦(陶器瓦)の寿命は、一般的に50年以上といわれています。

住宅によっては70年、80年以上使われている例も珍しくありません。

和瓦は粘土を高温で焼き上げて作られているため、

  • 紫外線
  • 凍結

などに強く、屋根材そのものが劣化しにくい特徴があります。

そのため、屋根材だけを見れば、住宅の中でも特に寿命の長い建材といえます。

和瓦は基本的に塗装が不要

和瓦の特徴の一つが、基本的に塗装が不要であることです。

陶器瓦は表面に釉薬(ゆうやく)が施されているため、色あせても防水性能が大きく低下することはありません。

そのため、「瓦が古くなったので塗装しましょう。」という営業を受けた場合は注意が必要です。

一般的な陶器瓦では、定期的な塗装は必要ありません。

※セメント瓦は定期的に塗装のメンテナンスが必要な屋根材です。

劣化しやすいのは瓦ではなく周辺部分

和瓦で最も注意したいのは、瓦そのものではありません。

実際には、

  • 漆喰
  • 棟瓦
  • 棟を固定する金具や銅線
  • 防水シート
  • 野地板

などが先に劣化するケースが多くあります。

そのため、「瓦は丈夫だから何もしなくて大丈夫」ではなく、屋根全体を定期的に点検することが大切です。

和瓦で見られる主な劣化症状

漆喰が剥がれている

棟瓦を固定している漆喰(しっくい)は、経年劣化によって剥がれることがあります。

漆喰が傷むと、雨水が入りやすくなったり、棟瓦が不安定になったりします。

棟瓦がズレている

地震や台風の影響で、棟瓦がズレることがあります。

ズレを放置すると、雨漏りや瓦の落下につながる恐れがあります。

瓦が割れている

和瓦は耐久性が高い屋根材ですが、

  • 落下物
  • 地震
  • 屋根に人が乗る

などが原因で割れることがあります。

割れた瓦は部分交換で対応できることも多いため、早めの補修がおすすめです。

防水シートが劣化している

瓦の寿命は長くても、その下にある防水シートは20〜30年程度で劣化します。

防水シートが傷むと、瓦が問題なくても雨漏りが発生することがあります。

築年数ごとのメンテナンス目安

築10〜20年頃

屋根全体の点検をおすすめします。

特に、

  • 漆喰
  • 棟瓦
  • 雨どい

などに異常がないか確認しましょう。

築20〜30年頃

防水シートや下地の状態も確認したい時期です。

必要に応じて、

  • 漆喰補修
  • 棟瓦の補修

などを行います。

築40年以上

瓦自体は問題なくても、屋根下地の劣化が進んでいる可能性があります。

屋根全体を点検し、必要に応じて葺き直しや葺き替えを検討します。

和瓦は葺き替えが必要になることもある

和瓦は非常に長寿命ですが、必ずしも瓦だけを見て判断するわけではありません。

例えば、

  • 防水シートが劣化している
  • 野地板が傷んでいる
  • 雨漏りが発生している

このような場合は、

瓦を再利用する「葺き直し」や、新しい屋根材へ交換する「葺き替え」が必要になることがあります。

屋根全体の状態を見て判断することが重要です。

台風や地震の後は屋根を点検しよう

和瓦は耐久性が高い屋根材ですが、台風や地震などの自然災害では、

  • 瓦のズレ
  • 棟瓦のゆるみ
  • 漆喰の剥がれ
  • 瓦の割れ

などが発生することがあります。

地上からでは異常が分からない場合も多いため、大きな災害の後は、リフォーム会社や屋根工事会社などに点検を依頼すると安心です。

一方で、災害の直後は、

「屋根が壊れています。」

「今すぐ工事しないと危険です。」

と突然訪問してくる業者が増える傾向があります。

その場で屋根に上がらせたり、契約したりすることは避けましょう。

信頼できる会社であれば、

  • 点検結果を写真で説明する
  • 必要な工事だけを提案する
  • 見積書を提示して十分に説明する

といった対応をしてくれます。

災害後だからこそ慌てず、信頼できる会社へ相談することが大切です。

点検では屋根の写真を見せてもらおう

屋根の状態は、自分では確認できません。点検後は、

  • 劣化箇所の写真
  • 補修が必要な理由
  • 放置した場合の影響

を説明してもらいましょう。

写真を確認することで、本当に工事が必要なのか判断しやすくなります。

屋根工事は見積り内容を比較することが大切

和瓦の屋根工事では、

  • 漆喰補修
  • 棟の積み直し
  • 葺き直し
  • 葺き替え

など、さまざまな提案があります。

工事内容を比較するときは、

  • なぜその工事が必要なのか
  • 瓦以外の部分は傷んでいるか
  • 今後どれくらい安心して住めるか

を確認することが大切です。

見積りの比較方法について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

→ 見積りの注意点・見方を読む【3分】 

まとめ|和瓦は長寿命でも定期点検は欠かせない

和瓦は、一般的に50年以上、住宅によっては100年近く使えることもある非常に耐久性の高い屋根材です。

また、陶器瓦は基本的に塗装の必要がありません。

しかし、屋根全体を見ると、

  • 漆喰
  • 棟瓦
  • 防水シート
  • 野地板

などは経年劣化します。

さらに、台風や地震の後は瓦のズレや棟部分に異常が生じることもあります。

和瓦だから安心と考えるのではなく、災害後を含めて定期的に屋根全体を点検することが、住まいを長持ちさせるポイントです。

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