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執筆:二級建築士 安藤勉
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「床下まで水が入ってしまった」
「水は引いたけど、このまま乾かせば大丈夫?」
床下浸水したあと、何から手を付ければよいのかわからない方も多いと思います。
床下浸水では、水が引いたから終わりではなく、床下に残った泥や水分を取り除き、しっかり乾燥させることが大切です。
一方で、「床下は全部消毒しないといけない」「床を全部剥がさないといけない」とは限りません。
ここでは、床下浸水したあとに何をすればよいのか、順番に解説します。
床下浸水したら、まず水と泥を取り除く
水が引いたあとも、床下には水たまりや泥、ゴミなどが残っていることがあります。
まずは、可能な範囲でこれらを取り除きます。
床下に水がたまったままだと乾燥に時間がかかるため、排水できる水はできるだけ取り除いておきましょう。
また、泥が残っている場合は、泥を取り除いたうえで、洗い流せる場所は水で洗浄します。
厚生労働省も、浸水した家屋では土砂などを取り除き、十分に清掃・乾燥させることが重要と案内しています。
ただし、浸水直後は建物周辺にも危険が残っている場合があります。
無理に床下へ潜ったり、電気設備などが濡れている状態で作業したりせず、安全を確認してから行いましょう。
床下浸水したあとは「消毒」より、まず清掃と乾燥が大切
床下浸水すると、
「消毒液をまいた方がいいのでは?」
と思われるかもしれません。
しかし、床下浸水したからといって、必ず床下全体を消毒しなければならないわけではありません。
床下では、まず
泥や汚れを取り除く
↓
必要に応じて洗浄する
↓
十分に乾燥させる
ことが基本です。
泥や汚れが残ったまま消毒液をまいても、十分な効果が期待できないことがあります。
厚生労働省でも、特に床下や庭などの屋外部分は消毒が原則不要で、清掃と乾燥が重要と案内しています。
床下を消毒する場合は、清掃・乾燥のあとに行う
汚水の流入がひどかった場合や、長時間浸水していた場合など、衛生面が気になるケースでは、清掃後に消毒を行うこともあります。
使用されるものとしては、
- 次亜塩素酸ナトリウム
- 塩化ベンザルコニウム
- 消毒用アルコール
などがあります。
ただし、消毒剤は種類によって使える場所や濃度が異なります。
例えば、次亜塩素酸ナトリウムは金属を腐食させたり、材料を変色させたりすることがあります。
また、床下全体へ大量に薬剤を散布すればよいというものでもありません。
消毒する場合も、まず泥や汚れを取り除き、十分に清掃したうえで、製品の使用方法や自治体の案内に従って行うことが大切です。
迷う場合は、自治体や専門業者に確認するとよいでしょう。
床下浸水したあとは何日くらい乾燥させる?
「何日乾かせば大丈夫ですか?」
と聞かれることがありますが、これは一概には言えません。
床下の構造や、
- 水が入っていた時間
- 浸水した深さ
- 床下の換気状況
- 気温や湿度
- 木材や断熱材がどの程度濡れたか
などによって乾燥するまでの時間が変わるからです。
大切なのは、日数だけで判断せず、床下や木材が十分に乾いているかを確認することです。
床下点検口がある場合は開放して換気し、必要に応じて送風機などを利用して乾燥を促す方法もあります。
ただし、無理に床下へ潜る必要はありません。
数日たっても床下が湿っている、カビ臭いにおいがするなどの場合は、一度専門家に確認してもらうとよいでしょう。
床下浸水したら床を剥がす必要はある?
床下浸水したからといって、必ず床材をすべて剥がす必要があるわけではありません。
床下点検口などから、
- 水や泥を取り除ける
- 床下を洗浄できる
- 十分に換気・乾燥できる
- 床や下地に大きな不具合がない
のであれば、床を壊さず対応できることもあります。
一方で、
- 床下に泥が大量に入り込んでいる
- 床下へ入る場所がなく清掃できない
- 床材や下地まで長時間濡れている
- 床が膨れたり、ぶかぶかしたりしている
- カビや強い臭いが発生している
といった場合は、床の一部を剥がして清掃・乾燥したり、傷んだ材料を交換したりすることがあります。
床下浸水=床を全部張り替える、ではありません。
実際の状態を確認して、必要な範囲だけ直すことが大切です。
床下浸水で断熱材が濡れた場合は?
床下には断熱材が施工されている住宅もあります。
この断熱材まで浸水した場合は、材料の種類や濡れ方を確認する必要があります。
水を吸いやすい断熱材が長時間水に浸かったり、泥水を含んだりしている場合は、乾燥だけではなく交換を検討した方がよいこともあります。
一方、濡れたからといって、すべての断熱材を必ず交換しなければならないわけではありません。
どの種類の断熱材が、どの程度まで濡れているのかを確認して判断することが大切です。
ここも床をすべて剥がす前に、まず床下の状況を確認してもらいましょう。
床下浸水のあと、カビや臭いが出てきたら注意
床下に水分や泥が長く残ると、カビや臭いが発生することがあります。
特に、
- 水が引いてから時間がたっている
- 床下が十分に乾燥していない
- 室内までカビ臭く感じる
- 床材や巾木などに変色が出てきた
場合は、床下の状態を確認した方がよいでしょう。
大切なのは、カビが出てから薬剤をまくだけではなく、なぜ床下が乾いていないのかを確認することです。
水分や泥が残ったままであれば、まずその原因を取り除き、十分に乾燥させることが先です。
自分で床下に潜って作業しなくてもいい
床下浸水すると、
「早く乾かさないと」
と焦って、自分で床下へ潜って泥を取り除こうとする方もいるかもしれません。
しかし床下は狭く、泥の中に釘やガラス片などが混じっている可能性もあります。
清掃する場合は、手袋、底の厚い靴、マスクなどを使用し、安全を確保することが大切です。
床下に入りにくい住宅や、泥が大量に流れ込んでいる場合は、無理をせず専門業者に相談してください。
床下浸水で専門業者に相談した方がよいケース
床下浸水の程度が軽ければ、自分で清掃・乾燥できる場合もあります。
一方、次のような場合は専門家に一度確認してもらうことをおすすめします。
- 床下に大量の泥や水が残っている
- 床下へ入れず、状態が確認できない
- 柱や土台まで長時間水に浸かっていた
- 断熱材が濡れている
- 床が膨れたり、ぶかぶかしたりしている
- 数日たっても床下が乾かない
- カビや強い臭いが出ている
この場合も、最初から「床を全部張り替えましょう」と決める必要はありません。
まず床下の状態を確認し、「どこまで清掃・乾燥で対応できるのか」「どの材料を交換する必要があるのか」を判断してもらいましょう。
まとめ|床下浸水は「清掃・乾燥」が基本
床下浸水したら、水が引いたあとに床下へ残った水や泥を取り除き、必要に応じて洗浄したうえで十分に乾燥させることが大切です。
床下だからといって、必ず消毒しなければならないわけではありません。
消毒を行う場合も、
泥や汚れを除去する
↓
洗浄する
↓
乾燥させる
↓
必要に応じて消毒する
という順番で考えるとよいでしょう。
また、
床下浸水した
=床を全部剥がす
=断熱材を全部交換する
とも限りません。
浸水した範囲や時間、床下の構造、使用されている材料などによって必要な対応は変わります。
まずは床下の状態を確認し、清掃と乾燥で済むのか、材料の交換まで必要なのかを見極めることが大切です。
浸水後の修理は「必要な範囲」を判断できる会社へ
床下は普段見えない場所なので、「全部交換しないといけない」と言われても、ご自身では判断しにくいと思います。だからこそ、最初から大きな工事を勧める会社ではなく、床下の状態を確認したうえで、必要な工事と必要でない工事を説明してくれる会社かどうかが大切です。
「どこに頼めばいいかわからない」「会社選びで失敗したくない」という方はこちらも参考にしてください。
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