
「スケルトンリフォームの費用って、どれくらいかかるのかな?」「どこまで貯金を使っても大丈夫かな?」⸺ 住まい全体をリフォームしたい方から、そんな声をよくお聞きします。
スケルトンリフォームとは、家の骨組みだけ残して、内装や設備をまるごと新しくする大がかりな工事のことです。費用はかかりますが、古くなった家をまるで新築のように生まれ変わらせることができます。快適で安全な住まいに変えることで、老後も安心して暮らせる家をつくることができます。
この記事では、スケルトンリフォームの費用相場や実際の施工事例、そして魅力や注意点を分かりやすく解説します。スケルトンリフォームの費用面でお悩みの方はぜひ参考にしてください。
スケルトンリフォームは依頼先によって金額が大きく変わります。
→リフォーム会社選びの鉄則【2分で読む】

この記事の目次
スケルトンリフォームの費用相場

スケルトンリフォームの費用は、家の構造や広さによって大きく変わります。
ここでは、一戸建てとマンションそれぞれの相場をご紹介します。おおまかな目安を知れば、リフォームの予算計画が立てやすくなりますよ。
一戸建ての費用相場は「15〜27万円/平米」
一戸建てのスケルトンリフォームは、1平米あたり「約15~27万円」が目安です。
住宅の面積ごとの目安は次の通りです。
| 80〜100平米 | 1,200〜2,700万円 |
|---|---|
| 100〜120平米 | 1,500〜3,240万円 |
| 120〜150平米 | 1,800〜4,050万円 |
一般的な30坪(約99平米)の戸建て住宅の工事代の目安は、約1,200〜2,700万円です。
金額に幅があるのは、キッチンやお風呂など住宅設備の他、スケルトンリフォームを内部だけか、それとも屋根や外壁までまるごと工事するかによって金額が変わってくるためです。
マンションの費用相場は「約12〜23万円/平米」
マンションは、専有部分(居住者が所有しているスペース)がスケルトンリフォームの対象です。
面積ごとの目安は次の通りです。
| 60平米 | 720〜1,380万円 |
|---|---|
| 75平米 | 900〜1,725万円 |
| 90平米 | 1,200〜2,300万円 |
窓や玄関ドア、ベランダなどの「共用部分」のため、個人でリフォームきません。そのため、マンションは一戸建てよりも費用を抑えやすいという特徴があります。

そもそも「スケルトンリフォーム」とは?

「スケルトンリフォーム」と聞くと、少し難しく感じるかもしれませんね。一般的な「リフォーム」や「建て替え」とどう違うのでしょうか?
スケルトンリフォームの特徴
スケルトンリフォームとは、簡単に言うと「家の骨組みだけを残して、中身をすべてつくり直すリフォーム」のこと。まるで「新築をもう一度建てるような感覚」でリフォームできるのが特徴です。
この特徴があるからこそ、通常のリフォームにはない大きなメリットが生まれます。たとえば ⸺
- 細かく仕切られた部屋をつなげて、開放的なLDKにする
- キッチンやお風呂、トイレの位置を思い切って変更する
- 断熱材や配管をすべて新しくして、快適さと安心を両立する
このように 家全体を「自分の理想のかたち」に作り変えることができるのが、スケルトンリフォームの大きな特徴です。
つまり、スケルトンリフォームは「古い住まいを、生まれ変わらせる」リフォームと言えるでしょう。
「スケルトンリノベーション」と呼ばれることもあります。
一般的なリフォームや建て替えとの違い
スケルトンリフォームは、一般的なリフォームと建て替えの中間にあたります。3つの工事の重要な違いは「どこまで壊すか(=どこまでつくり直すか)」です。
- 建て替え ⇒ 建物や基礎まですべて解体して、新しく家を建てる
- スケルトンリフォーム ⇒ 家の骨組みだけ残して、一新する
- 一般的なリフォーム ⇒ 古くなった一部を修繕・交換する
建て替えは、更地にして一から家を建てるため、自由に設計できます。ただし、その分費用がかかり、工事期間も長くなります。
一方、部分的なリフォームは費用を抑えやすい反面、耐震性や断熱性能を高めることは困難です。
その中間にあるのが、スケルトンリフォームです。家の骨組みだけを残して全面改修するため、まるで新築のような性能やデザインを実現しながら、建て替えよりも費用や期間を抑えられるのが魅力です。
スケルトンリフォームの事例
次は、スケルトンリフォームの参考事例をご紹介します。イメージを膨らませるのにお役立てください。
事例1:自然光と木質感を生かした開放的なLDK
最初にご紹介するのは、古い住宅の重く閉じられたキッチン空間が、光と木のぬくもりが踊る、開放的なLDKへと生まれ変わった事例です。
従来のキッチンは、やや奥まった配置で、作業する人が孤立しやすい間取りでした。内装も全体的に落ち着いた雰囲気ではありましたが、やや古さを感じさせる印象でした。

リフォーム後は壁や間仕切り(部屋と部屋を区切るための壁)を撤去し、天井の梁(はり)を露出させるデザインにしました。天然木の床材も、空間のぬくもりを際立たせています。

事例2:トラディッショナルな和空間をモダンなLDKへ
次にご紹介するのは、古い日本家屋を現代のライフスタイルに合わせてアップデートした事例です。和の空間を、洗練されたモダンなLDKへと進化させました。
もともとの空間は、障子やふすま、畳や押入れなど、伝統的な和の要素で満たされていました。静かで穏やかではあるものの、利便性に課題を抱えている状態です。

リフォーム後は、開放感と機能性、そして洗練されたデザインが三位一体で実現されました。窓を大きくしたことで、明るく開放的な空間となっています。

ご覧のとおり、スケルトンリフォームは、単なるリフォームとはひと味違います。古い家を、住み心地や使い勝手まで大きく見直し、まったく新しい価値を持つ住宅に生まれ変わらせることができます。
ご紹介した事例のように、今のお住まいを根本的に変えたい方は、スケルトンリフォームを検討してみてはいかがでしょうか。

スケルトンリフォームの費用が高い理由と注意点

スケルトンリフォームは、家が生まれ変わるほどの大がかりな工事です。
ここでは、なぜ金額が上がる理由と、気を付けたいポイントをご紹介します。
高額になる理由と追加費用の発生について
スケルトンリフォームは、部分的なリフォームに比べ解体する箇所が多いため、どうしても費用が高くなりがちです。
建物の骨組み以外をすべて解体して作りかえるため、住みながらの工事は非常に困難です。工事中は「仮住まい」の準備が必要になるため工事代以外に引っ越し費用と工事期間中の家賃負担が発生します。
もうひとつ注意したいのが、「見えない部分の劣化」です。天井や壁、床を解体すると次のような問題が見つかるケースもあります。
- 骨組み構造体の劣化
- シロアリ被害
- 水道配管・汚水配管の劣化
柱や梁など構造に問題がみつかった場合、補強や補修工事が必要になります。予算オーバーを予防するには
- 見積の総額プラス5~10%を「予備費」として確保しておく
- 住宅診断の専門家に、構造や配管の劣化状況を詳しくチェックしてもらう
事前にリスク対策をすれば、予算オーバーの失敗を防ぐことが可能です。
希望通りの間取りにできない場合がある
スケルトンリフォームの魅力は、間取りを大幅に変えられるところです。ただし、すべて自由にできるわけではありません。
戸建て住宅は構造で変わる
家を支える重要な通し柱や、耐力壁(地震や風圧に耐える大事な壁)などは動かすことができません。
特に2×4(ツーバイフォー)工法の家は、壁自体が家を支える構造になっているため、安易に壁を取り払うことができません。ハウスメーカーが手掛けたプレハブ住宅も間取り変更が困難です。
参考:一般社団法人 日本ツーバイフォー建築協会「ツーバイフォーとは」
壁構造のマンションは要注意
マンションのスケルトンリフォームで注意したい物件は、壁構造と呼ばれる物件です。
壁構造は、壁と床スラブが構造体になっているため、専有部の間仕切り壁もコンクリートで作られています。間取り変更したいと考えても、構造体の壁が解体できないため、希望通りの間取りにできない場合があります。
また古いマンションは、排水が床スラブが貫通型のタイプもあるため、キッチンやお風呂、トイレの位置を大きく変えられないことも。
「こんなはずじゃなかった……」とならないために、次の3つを実践しましょう。
- スケルトンリフォームの知識と経験が豊富な会社に工事を依頼する
- 自宅がどんな工法で建てられているかを把握する(一戸建て)
- 管理組合から最新の管理規約や図面をもらい事前確認する(マンションの場合)
これらを押さえておけば、スケルトンリフォームで大幅に金額が上がったり、希望の間取りにできなかったと後悔せずに済みます。

スケルトンリフォームの流れ(手順)と工事期間

スケルトンリフォームは、部分的なリフォームとは違い、大規模な工事です。そのため、計画から引き渡しまでに半年から1年以上かかるケースがほとんです。
大切なのは、余裕を持ってスタートを切り、焦らず一歩ずつ進めることです。ここでは、スケルトンリフォームを進めていく手順と工期の目安をご紹介します。
計画・設計(約4〜7か月)
まずは家族会議を開き「どんなリフォームをしたいのか?」不満点や希望を出し合いましょう。リフォーム会社に相談し、家族構成やライフスタイル、要望を伝えます。
リフォーム会社が現地調査を行い、建物の状態を細かくチェックします。耐震補強が必要か、どこまで間取りを変えられるかも、この段階で確認しておくことが大切です。
調査結果とあなたの希望をもとに、間取りや仕様(建材や設備、施工方法など)をまとめたプランが作られます。同時に見積もりや資金計画(リフォームローンなど)も固めていきます。
設計と見積もり、資金計画が整ったら、リフォーム会社と工事請負契約を結びましょう。この「計画〜契約」段階を丁寧に進めることで、工事がスムーズに進みやすくなります。スケルトンリフォームは、確認申請の手続きが必要です。
準備(着工前)
契約のタイミングで工事期間中に暮らすための仮住まいの確保、引っ越し準備を行います。
不要な家具や荷物を処分して、できるだけ身軽になるのが「仮住まいのコツ」です。引っ越しがラクになるだけでなく、仮住まいの大きさを小さくでき、家賃を抑えられます。
また、近隣住民や管理組合(マンションの場合)への近隣挨拶も大切です。可能であればリフォーム会社と一緒に「工事中は音やホコリなどご迷惑をお掛けします」と近隣挨拶に伺うと、工事中のクレーム防止につながります。
工事(約2〜5か月)
スケルトンリフォームは、解体工事から始めます。壁や床、天井などを撤去し、戸建て住宅であれば建物を骨組み(スケルトン化)の状態にします。マンションの場合は、専有部を全て撤去します。
次に、構造の補強が必要な場合は耐震補強工事、水道や排水の配管工事、電気や空調工事をします。屋根の葺き替えや外壁の張り替えを工事も先に進めておきます。
床や内装工事を終え、システムバスやシステムキッチン、トイレなど水まわりの機器を設置します。最後にクリーニング美装工事を行います。
お客様と施工会社が立ち会い、図面どおり仕上がっているか最終チェックして工事完了です。
引き渡し
図面や見積書通りのチェックができたら引渡し書にサインをし、最終的な工事代金を精算、鍵の引渡しです。
仮住まいから戻り、いよいよ新しい生活のスタートです。「長かったけれど、やってよかった」と感じる瞬間でもあります。
スケルトンリフォームは、計画から引き渡しまで半年から1年以上かかります。一戸建て住宅で屋根や外壁も貼り替える場合は、長期間かかることを見越して、スケジュール管理が重要になります。
工事のスケジュールにゆとりを持たせることが、品質の高さや満足度の向上につながります。
スケルトンリフォームの魅力やメリット

スケルトンリフォームは部分リフォームや新築にはない魅力を持っています。単なるリフォームを超えた、住まいそのものの価値を高めることができます。
ここでは、スケルトンリフォームで実現できる主なメリットを3つご紹介します。
- ライフスタイルの変化に適応
- 住宅性能(耐震性・断熱性など)を抜本的に向上できる
- 隠れた部分(配管・配線・構造など)の刷新・劣化対策ができる
- 愛着のある家が残せる
順番に詳しく解説します。
ライフスタイルの変化に適応しやすい
スケルトンリフォームでは、今ある内装や設備をすべて撤去します。建物の骨組みだけを残した状態から設計をやり直すため、間取りの自由度が非常に高くなります。
たとえば ⸺
- 子どもの独立に合わせて、空いた子ども部屋を趣味のアトリエや書斎に
- 高齢期に備え、ほぼ1階だけで生活できる、まるで平屋のような間取りに
- 狭かった廊下を広くして、手すりも付けてバリアフリー化
このように、人生のステージに合わせて住まいを再設計できます。
今の暮らしだけでなく、「10年後、20年後の自分たちの暮らし」も見据えて設計できる点は、スケルトンリフォームの大きな価値と言えるでしょう。
スケルトンリフォームを実施するときは、設計担当に将来のライフプランをぜひ共有してみてください。長く快適に暮らせる家を設計してくれますよ。
住宅性能(耐震性・断熱性など)を抜本的に向上できる
スケルトンリフォームでは、新築と同等レベルの性能改善が可能です。壁や床をすべて取り除くため、骨組みの傷んだ部分を補修したり、大地震に備えて補強したりできます。
夏は涼しく、冬は暖かい快適な住まいにすることも可能です。古い断熱材を撤去し、高性能な断熱材を壁・床・天井に再び詰めたり、熱を通しにくい窓に替えたりすることもできます。
これらを同時におこなえるのは、骨組みまで手を加えるスケルトンリフォームだからこそ。見た目だけでなく、住まいの中身を根本から改善できる点が大きなメリットです。
隠れた部分(配管・配線・骨組みなど)の刷新・劣化対策ができる
スケルトンリフォームでは、壁の中や床の下に隠れている水道・排水の配管や電気配線も、内装を解体する際にすべて新しく取り換えます。その後、リフォーム工事の際に新しい配管や配線を引き直します。
骨組みも見える状態になるため、シロアリや雨漏りで傷んだ部分を確認して補修することが可能です。とくに木造住宅はシロアリや雨漏りに弱いため、こうした対策ができるのは大きな安心につながります。
一方、内装の貼り替えや設備の交換だけのリフォームでは、配管や配線まで手を付けません。そのため、配管の水漏れや配線の断線が起きた場合、再び壁や床をはがして取り換える必要があります。
さらに、骨組みの状態を確認しないままのリフォームでは、家全体の耐震性が十分かどうか判断しづらい点も不安として残ります。隠れた部分を新しくつくり直すことや劣化対策ができることは、スケルトンリフォームならではの大きな強みと言えるでしょう。
愛着のある家を残せる
新築や建て替えの場合、家を全て壊さなければなりません。スケルトンリフォームであれば、構造体を残すことができるため、愛着のある家を残しながら住み続けることが可能です。
両親や家族との思い出が残った家を全て壊すのは、何とも寂しい気持ちになります。立派な柱や梁で作られた家は、手入れをすれば末永く住み続けることが可能です。

費用に関するよくあるご質問(FAQ)

最後に、スケルトンリフォームに関するよくあるお悩みを見ていきましょう。
スケルトンリフォームのコスト削減のコツは?
スケルトンリフォームは工事範囲が広く、費用が高くなりがちです。しかし、計画段階での工夫次第で、コストを抑えることができます。
具体的なコツは次のとおりです。
- 間取り変更をシンプルにする
- 水回りの位置を大きく動かさない
- 設備・建材のグレードを標準的なものにする
さらに、資金計画や業者選びにもポイントがあります。
たとえば、補助金や減税制度を活用する方法があります。耐震補強・断熱改修を含む場合、国や自治体の補助金、住宅ローン減税の対象になることがあります。
複数のリフォーム会社に相見積もりをおこなうのも有効です。2〜3社から見積もりを取り、工事内容と費用を比較しましょう。
価格だけでなく、「提案力」や「担当者の対応」も重視すると失敗が減ります。
予算1,000万円でスケルトンリフォームは実現可能?
予算1,000万円でのスケルトンリフォームは、物件の種類や築年数、工事の範囲によっては実現可能です。
マンションの場合、一般的な3LDK(60〜70平米)程度の広さであれば、1,000万円でフルリノベーションも可能です。
一戸建ての場合、一般的な30坪(約99平米)程度の広さでも1000万円を超えがちです。リフォーム範囲を絞ることで、1,000万円以下に収められる可能性があります。
予算を抑えるカギは、要望の優先順位を明確にすること。すべての要望を実現するのではなく、安全に関わることや絶対に譲れないことから優先的にリフォームしましょう。
住みながらリフォームできる?仮住まいが必要?
スケルトンリフォームの場合、基本的に仮住まいが必要です。工事中は、水道・電気・トイレなどのライフラインも使えません。
仮住まい期間の目安は以下のとおりです。
- 一戸建て:約3〜4か月
- マンション:約2〜3か月
ただし、住宅の傷みが激しい場合や、大がかりな間取り変更、外壁や屋根リフォームを実施する場合は、もう少しかかるケースもあります。
仮住まいの費用は「賃貸家賃+敷金礼金」と「2回分の引っ越し費用」、荷物が多い場合は「トランクルーム代」などがかかります。予算に組み込んでおきましょう。
まとめ:スケルトンリフォームは費用を把握して安心の計画作りを

スケルトンリフォームは、どうしても費用が大きくなる工事です。しかしその分、快適性・安全性・デザイン性をまとめて高められるため、長く住む家づくりとして大きな価値がある選択肢といえます。
「老後まで安心して暮らせる家にしたい」⸺ そんな思いが少しでもあるなら、今が計画を始める良いタイミングです。まずは、ご家族で話し合うところから始めてみてください。
スケルトンリフォームは、依頼先によって費用が大きく変わります。
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建築士の安藤です。リフォーム業界歴20年。住まいを通じ、豊かな暮らしをお届けいたします!!ゆうネット公式YouTubeでリフォームお役立ち情報も配信中。