【この記事は約3分で読めます】
執筆:二級建築士 安藤勉
→詳しいプロフィールはこちら
「保証期間内なのに有料と言われました」
「保証があるのに、なぜ費用がかかるのでしょうか?」
「10年保証なら10年間は無料で直してもらえるのでは?」
このようなご相談をいただくことがあります。
私たちは20年以上、全国のリフォーム会社選びに携わってきました。
その中でも、保証についての認識違いから「こんなはずではなかった」と困ってしまうケースは少なくありません。
結論から言うと、工事保証は期間内であっても、原因や保証内容によって有料になることがあります。
大切なのは「何年保証か」だけではありません。「何が保証されるのか」「どこまで無料なのか」まで確認することが重要です。
今回は、工事保証で勘違いしやすいポイントを分かりやすく解説します。
保証期間内でも対象外になることがある
保証には、「保証期間」と「保証対象」があります。
例えば10年保証でも、10年間に起きたすべての不具合を無料で修理してもらえるとは限りません。
工事保証では、一般的に次のような不具合が対象となる場合があります。
・施工が原因で発生した不具合
・施工不良による不具合
・工事が原因で発生した雨漏り
ただし、保証の範囲は会社や保証制度によって異なります。
「10年保証」と書いてあるから安心、と考えるのではなく、保証書で対象となる工事や不具合を確認することが大切です。
経年劣化は保証対象外になることがある
保証期間中でも、経年劣化による傷みは対象外になる場合があります。
例えば、
・コーキングの劣化
・パッキンの摩耗
・ゴム部品の劣化
・消耗品の交換
などです。
これは施工不良ではなく、使用しているうちに自然に劣化したものと判断されるためです。
「壊れたから保証される」とは限らず、不具合が発生した原因によって保証の対象になるかが決まります。
自然災害による破損も対象外になることがある
台風や地震などによって工事箇所が破損した場合も、通常の工事保証では対象外となることがあります。
例えば、
・台風による破損
・地震によるひび割れ
・大雪による破損
・落雷による故障
・洪水による被害
などです。
これらは施工不良ではなく、自然災害が原因と判断されるためです。
ただし、自然災害による被害は、火災保険などで補償される可能性があります。
保証の対象外だからといって、すぐに全額自己負担と決めつけず、加入している保険も確認しましょう。
使い方やお手入れが原因の場合も注意
使用方法が原因で発生した破損や不具合も、保証対象外になることがあります。
例えば、
・強い衝撃を与えて破損した
・誤った方法で使用した
・必要なお手入れをしていなかった
といったケースです。
ただし、実際に保証の対象になるかどうかは、不具合の状況や保証内容によって異なります。
自己判断で「保証対象外だ」と決めつけず、まず施工会社に相談して原因を確認してもらいましょう。
他社で修理すると保証に影響することも
不具合が起きたときに、施工会社へ相談せず自分で修理したり、他社に修理を依頼したりすると、保証に影響する場合があります。
保証書に、
「他社による修理・改造を行った場合は保証対象外」
などの条件が記載されていることもあります。
不具合を見つけたら、まず施工会社に連絡することをおすすめします。
写真を撮っておくと、状況を説明するときにも役立ちます。
出張費や部品代が自己負担になることも
保証対象の不具合であっても、すべての費用が無料とは限りません。
保証内容によっては、
・出張費
・部品代
・消耗品代
などが自己負担になる場合があります。
「無償修理」と書かれていても、どこまでが無料なのかは会社によって違います。
契約前に確認しておきましょう。
メーカー保証と工事保証は違う
リフォームでは、「メーカー保証」と「工事保証」を混同しやすいため注意が必要です。
メーカー保証は、給湯器やキッチン、水栓など、設備機器そのものの不具合を対象とするものです。
一方、工事保証は、施工方法や工事が原因で発生した不具合などを対象とするものです。
例えば、新しく設置した給湯器そのものに不具合があればメーカー保証、設置工事に問題があった場合は工事保証が関係する可能性があります。
ただし、実際の保証範囲は製品や契約によって異なります。
「どちらの保証なのか」を確認することが大切です。
保証書は契約前に確認しよう
リフォーム会社を選ぶときは、契約前に保証書や保証規定を確認しましょう。
特に確認したいのは次の項目です。
・保証期間は何年か
・何の工事が保証対象か
・どのような不具合が対象か
・保証対象外になる条件は何か
・出張費や部品代は無料か
・不具合が起きたときの連絡先はどこか
・他社で修理した場合に保証へ影響するか
「保証10年」という数字だけを比較するのではなく、保証の中身を比較することが重要です。
保証内容については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
「保証があります」だけで会社を選ばない
「保証があると思っていたのに対象外だった」
「保証期間内なのに費用がかかった」
このようなトラブルは、保証制度そのものだけでなく、契約前の説明不足から起こることもあります。
私たちが20年以上リフォーム会社選びに携わる中でも、信頼できる会社ほど、
・保証書の内容を契約前に説明する
・保証対象と対象外を具体的に伝える
・費用が発生する可能性を説明する
・不具合が起きたときの連絡方法を案内する
といった対応をしています。
「保証があります」と言うだけでなく、保証の内容まで丁寧に説明してくれる会社を選ぶことが大切です。
リフォームの依頼先で失敗を防ぐためには、会社選びも大切です。
リフォーム会社を選ぶときは、建設業許可・自社施工・見積り・保証の【4つの基準】の4つが特に重要だと考えています。
会社選びについて順番に知りたい方は、こちらをご覧ください。
まとめ|保証期間より「保証内容」を確認しよう
工事保証は、期間内であってもすべての不具合が無料になるわけではありません。
経年劣化や自然災害、使用方法による破損などは、保証対象外となる場合があります。
また、保証対象であっても、出張費や部品代などが自己負担になることもあります。
そのため、リフォーム会社を選ぶときは、
「何年保証か」だけでなく、「何が保証され、何が対象外なのか」まで確認しておきましょう。
保証書の内容を契約前に確認しておけば、工事後に「こんなはずではなかった」となるトラブルを防ぎやすくなります。
会社選びで迷う方へ
リフォームで失敗しないための知識は「青本・赤本」にまとめています。

※NHKでも紹介された冊子です
※累計100万部発行