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執筆:二級建築士 安藤勉
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リフォーム会社を探していると、「リフォーム瑕疵保険に対応しています」という説明を見ることがあります。
しかし、
- どのような不具合が補償されるの?
- 登録している会社なら、自動的に保険が付くの?
- 費用はいくらかかるの?
- 本当に付けてもらった方がいいの?
と疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。
私たちは20年以上にわたり、全国のリフォーム会社の調査や、お客様からのご相談をお受けしてきました。
結論からいうと、リフォーム瑕疵保険は、第三者による検査と工事後の補償が組み合わされた、安心につながる制度です。
ただし、「瑕疵保険に対応している会社だから安心」とは、一概には言えません。
登録事業者に工事を依頼しただけで、自動的に保険が付くわけではなく、すべての不具合が補償されるわけでもありません。
今回は、リフォーム瑕疵保険の仕組みや費用、メリット・デメリット、加入前に確認したいポイントについて、建築士が分かりやすく解説します。
リフォーム瑕疵保険とは?
リフォーム瑕疵保険とは、リフォーム工事に施工上の問題が見つかった場合に備える、国の制度に基づく保険です。
「瑕疵(かし)」とは、本来備わっているべき品質や性能が欠けている状態をいいます。例えば、施工不良が原因で雨漏りが発生した場合などが該当します。
保険を利用する工事では、工事内容に応じて、建築士などの第三者による現場検査が行われます。
工事後に保険の対象となる不具合が見つかった場合は、リフォーム会社が行う補修工事の費用などが保険金として支払われます。
また、リフォーム会社が倒産して補修できない場合には、お客様が保険法人へ直接、保険金を請求できる仕組みもあります。
リフォーム瑕疵保険への加入は義務?
リフォーム瑕疵保険への加入は、原則として任意です。
新築住宅では、住宅会社に一定の保証制度が義務付けられていますが、一般的なリフォーム工事では、すべての工事に瑕疵保険を付ける義務はありません。
そのため、瑕疵保険を利用するかどうかは、工事内容やお客様の希望によって決めることになります。
瑕疵保険を利用していないからといって、必ずしも悪い会社というわけではありません。独自の工事保証を設けている会社や、工事内容によって保険を使い分けている会社もあります。
登録事業者なら自動的に保険が付く?
ここは、特に間違えやすい点です。
リフォーム会社が「瑕疵保険の登録事業者」であっても、その会社が行うすべての工事に、自動的に保険が付くわけではありません。
実際に保険を付けるには、今回の工事についてリフォーム会社が申し込み、必要な現場検査を受ける必要があります。
契約前には、次のように確認しましょう。
今回の工事には、リフォーム瑕疵保険が付きますか。
保険料や検査料は、見積りに含まれていますか。
「瑕疵保険に対応できる会社」と「今回の工事に瑕疵保険が付いている」は、意味が異なります。
どのような工事や不具合が対象になる?
リフォーム瑕疵保険では、基本的に保険を申し込んだリフォーム工事の施工部分が対象になります。
対象となる可能性があるのは、例えば次のような不具合です。
- 施工不良が原因となった雨漏り
- 柱や梁など、構造部分の施工不良
- 工事した給排水管からの漏水
- 工事した内装や設備に関する不具合
ただし、対象となる工事や不具合、保険金額は、保険商品によって異なります。
また、経年劣化や自然な消耗、お客様の使い方が原因となる故障などは、一般的に保険の対象にはなりません。
「保険に入っているから、工事後に起きたすべての不具合が補償される」というものではないため、対象範囲を確認しておきましょう。
保証期間は何年?
保証期間は、工事内容や保険商品によって異なります。
一般的には、
- 構造上重要な部分
- 雨水の浸入を防止する部分
については5年間、それ以外のリフォーム工事については1年間など、工事部分によって保証期間が分けられています。
商品によっては保証期間や対象範囲が異なるため、契約前に次の点を確認することが大切です。
- 自分の工事は保険の対象になるか
- どのような不具合が補償されるか
- 保証期間は何年間か
- 保険金の上限はいくらか
費用はいくら?誰が負担する?
リフォーム瑕疵保険を利用する場合は、保険料のほかに現場検査の費用がかかります。
費用は、工事内容や工事金額、保険法人、検査回数などによって異なりますが、保険料と検査料を合わせて数万円程度かかることが一般的です。
制度上はリフォーム会社が申し込みますが、実際の費用は見積金額に含まれ、お客様が負担するケースもあります。
契約前に、
- 保険料と検査料はいくらか
- 見積書に含まれているか
- 別途支払いが必要か
を確認しておきましょう。
申し込みはいつまでに必要?
リフォーム瑕疵保険は、基本的に工事が始まる前に申し込みます。
工事内容によっては、施工途中でなければ確認できない部分があるためです。工事がすべて終わってから、さかのぼって加入することは、一般的にはできません。
瑕疵保険を希望する場合は、見積りや契約の段階でリフォーム会社へ伝えましょう。
すでに工事が始まっている場合は、加入できるかどうかを早めに確認してください。
リフォーム瑕疵保険のメリット
リフォーム瑕疵保険には、主に次のメリットがあります。
第三者による現場検査を受けられる
リフォーム会社だけでなく、第三者の検査員が施工状況を確認します。
検査を受けたから絶対に不具合が起きないというわけではありませんが、施工品質を確認する機会が増えることは安心材料になります。
施工不良の補修費用に備えられる
保険の対象となる施工不良が見つかった場合、補修費用などが保険で支払われます。
会社が倒産した場合にも備えられる
工事後に不具合が見つかっても、リフォーム会社が倒産していれば、補修を依頼できないことがあります。
そのような場合に、お客様が保険法人へ直接請求できる仕組みがあることは、大きなメリットです。
リフォーム瑕疵保険のデメリット
安心につながる制度ですが、次のような注意点もあります。
保険料や検査料がかかる
保険を利用すると、その分の費用が工事金額に加わることがあります。
小規模な工事では、工事費に対して保険費用の割合が大きくなることもあります。
すべての不具合が対象になるわけではない
保険が付いていても、経年劣化や対象外の工事、施工不良とは認められない不具合などは補償されません。
検査の日程調整が必要になる
工事内容によっては、施工途中や工事完了時に検査を受けます。そのため、検査日程に合わせて工事を進める必要があります。
保証期間が一律ではない
「瑕疵保険があるから長期間安心」とは限りません。
一般的な内装・設備工事などは、構造や雨漏りに関わる部分よりも保証期間が短い場合があります。
リフォーム瑕疵保険は付けた方がいい?
すべてのリフォーム工事に、必ず瑕疵保険を付けなければならないわけではありません。
ただし、次のような工事では、利用を検討する価値があります。
- 工事金額が大きい
- 増築や間取り変更を行う
- 屋根や外壁、防水工事を行う
- 柱や梁など、構造部分に関わる
- 給排水管を大きく変更する
- 初めて依頼する会社で不安がある
- 工事会社の倒産にも備えたい
一方で、設備機器の交換など比較的小規模な工事では、工事会社の保証内容を確認したうえで、費用とのバランスを考えてもよいでしょう。
大切なのは、「瑕疵保険があるか、ないか」だけで判断するのではなく、工事内容に応じて必要性を考えることです。
本当に確認したいのは「保険」より相談体制です
実際に私たちがお客様からご相談を受ける中では、
「これは施工不良なのでしょうか」
「工事会社の説明が正しいのか分かりません」
というご相談が少なくありません。
お客様が困るのは、施工不良が見つかった後だけではありません。
不具合らしきものが起きても、施工に原因があるのか判断できず、「誰に相談すればよいのか分からない」という状況になることがあります。
そのため、契約前には瑕疵保険の有無だけでなく、次の点まで確認しておくことが大切です。
- 保証の対象となる工事
- 保証期間
- 不具合が起きたときに原因を確認する仕組み
- 工事中・工事後の相談体制
瑕疵保険が付いていても、困ったときに工事会社が十分な説明をしてくれなければ、お客様の不安は解消されません。
場合によっては、「瑕疵保険が付いている会社」というだけで選ぶよりも、保証内容を分かりやすく説明し、困ったときに最後まで対応してくれる会社を選ぶ方が安心につながります。
これまで全国のリフォーム会社を見てきた経験からも、安心して任せられる会社ほど、保証だけでなく、お客様が困ったときの相談体制まで整えています。
まとめ
リフォーム瑕疵保険は、第三者による現場検査と工事後の補償が組み合わされた制度です。
施工不良の補修費用や、リフォーム会社が倒産した場合に備えられることは、大きな安心材料になります。
ただし、
- 登録事業者でも自動的に保険が付くわけではない
- 基本的に工事前の申し込みが必要
- 保険料や検査料がかかる
- すべての不具合が対象になるわけではない
- 工事内容によって保証期間が異なる
という点には注意が必要です。
安心できるリフォームは、「保険があること」だけで実現するものではありません。
契約前には、瑕疵保険や工事保証の内容だけでなく、工事中や工事後に困ったとき、最後まで相談に乗ってくれる会社かどうかも確認しましょう。
リフォーム瑕疵保険だけでなく、工事保証・保証期間・保証書・対象範囲について詳しく知りたい方は、こちらも参考にしてください。
→リフォームの保証とは?保証期間・保証書・対象範囲を建築士が解説
リフォーム瑕疵保険について詳しく知りたい方へ
リフォーム瑕疵保険の詳しい内容や対象工事については、住宅瑕疵担保責任保険協会のホームページでも確認できます。
→住宅瑕疵担保責任保険協会「リフォームのかし保険」
リフォーム会社を選ぶときは、瑕疵保険だけでなく、建設業許可・見積り・契約・保証・アフターサービスなども総合的に確認することが大切です。
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