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執筆:二級建築士 安藤勉
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外壁塗装の見積りを依頼すると、最初に現地調査が行われます。しかし、
「何を見ているの?」
「短時間で終わったけど大丈夫?」
と思う方もいるかもしれません。
私どもは20年以上にわたり、全国のリフォーム会社の調査や、お客様からのご相談を受けてきました。その中でも、
「会社によって見積り内容が違う」
「必要な補修が後から見つかった」
といった相談は少なくありません。
実は、見積り内容の違いは現地調査の違いから生まれていることもあります。今回は、外壁塗装の現地調査で確認していることについて解説します。
外壁塗装の現地調査はなぜ重要?
外壁塗装は、建物ごとに必要な工事が異なります。
例えば、そのまま塗装できるケースもあれば、ヒビ割れ補修やコーキングの打ち替え、外壁材の交換が必要なケースもあります。
そのため、最初の現地調査で建物の状態を正しく把握することが大切です。現地調査の質によって、その後の見積りや工事内容も変わることがあります。
現地調査で確認していること
外壁や屋根の劣化状況
まず確認するのが、外壁や屋根の傷み具合です。例えば、
- 色あせ
- 塗膜の剥がれ
- コケやカビ
- サビ
- 反りや破損
などを確認します。
劣化状況によって、塗装だけで良いのか、補修や交換が必要なのかが変わります。必要な工事は、建物の状態によって変わります。
ヒビ割れやコーキングの状態
外壁のヒビ割れや、窓まわりのコーキングも重要な確認ポイントです。
ヒビ割れを補修せずに塗装しても、後から再発することがあります。また、コーキングが劣化している場合は、塗装前に打ち替えが必要になることもあります。
塗装より先に補修が必要なケースもあります。
塗装する素材の種類
実は、外壁や屋根は素材によって適した塗料が異なります。
また、素材によっては割れやすいなどの特徴があり、塗装しても十分な耐久性が期待できず、塗装以外の方法を検討した方が良いケースもあります。
そのため、現地調査では、どのような素材が使われているのかも確認しています。
例えば、2000年前後に製造された一部のアスベストを含まないスレート屋根には、割れやすいものがあります。
このような屋根は、塗装をして見た目がきれいになっても、数年後に屋根材そのものが割れたり欠けたりして、結局、屋根材の交換が必要になるケースもあります。
そのため、素材を正しく判断せずに安易に塗装すると、後からトラブルにつながることもあります。
塗料選びの前に、素材を見極めることが大切です。
現在の塗膜の状態
外壁塗装では、今塗られている塗料や塗膜の状態も重要です。なぜなら、塗料には相性があるからです。また、塗膜の膨れや剥がれがある場合は、そのまま塗装しても再発することがあります。
そのため、塗装前に下地処理や補修が必要になることもあります。
今の塗膜の状態によって、必要な下地処理は変わります。
工事を安全に行えるか
現地調査では、建物の状態だけでなく、実際に工事ができる環境かどうかも確認しています。例えば、
- 足場を設置するスペースがあるか
- 足場のトラックを停められるか
- 電線や樹木が干渉しないか
- 塗料や資材を置く場所があるか
- 工事前に移動が必要なものはないか
- 近隣への影響はないか
などです。
外壁塗装は、塗料を塗るだけではありません。安全に工事を進めるための準備も重要です。
こうした確認が不十分だと、工事が始まってから追加費用が発生したり、近隣トラブルにつながったりすることがあります。
現地調査では、工事環境も確認しています。
現地調査が不十分だとどうなる?
現地調査が不十分だと、必要な補修を見落としてしまうことがあります。その結果、
- 工事後に不具合が発生する
- 追加工事が必要になる
- 保証トラブルにつながる
- 思っていた仕上がりと違う
といったケースもあります。
例えば、塗料との相性が悪かったり、塗装前の処理が不十分だったりすると、数年で膨れや剥がれが発生することもあります。
また、工事環境の確認が不足していると、工事開始後に想定外の費用が発生することもあります。
現地調査不足は、工事後のトラブルにつながることがあります。
見積りの差は現地調査の差かもしれない
同じ建物でも、会社によって見積り内容が違うことがあります。
例えば、A社は塗装だけを提案。B社はコーキングの打ち替えや補修工事も提案。このようなケースです。
金額だけを見ると、A社の方が安く見えるかもしれません。しかし、その差は利益の違いではなく、現地調査で発見した内容の違いかもしれません。
本当は必要な工事でも、現地調査で気づかず、見積りに含まれていないこともあります。そのまま工事を進めると、工事後の不具合や追加工事につながることもあります。
実際には、現地調査で確認した内容の違いが、見積りの違いにつながっていることも少なくありません。
そのため、見積りを比較する時は、金額だけでなく、なぜその工事が必要なのかという説明も確認してみましょう。見積りの差は、現地調査の差から生まれていることもあります。
信頼できる会社の現地調査とは
私どもが信頼できる会社だと感じるのは、現地調査の内容を分かりやすく説明してくれる会社です。例えば、
- 現状の写真を撮影する
- 報告書を作成する
- 劣化の原因を説明する
といった対応です。
また、屋根の点検では、必ずしも屋根の上に登るとは限りません。近年は、足場がない状態で屋根に登ることによる転落事故のリスクがあるほか、屋根材によっては点検時に破損させてしまう可能性もあるためです。
そのため、はしごで見える範囲を確認したり、高所点検用カメラやドローンを活用したりする会社もあります。
大切なのは、屋根に登ったかどうかではありません。どのような方法で確認し、その内容を写真や報告書で分かりやすく説明してくれるかです。
また、一般的には短時間で終わる現地調査よりも、建物を丁寧に確認する会社の方が安心できることが多いでしょう。
しかし、本当に確認したいのは調査時間そのものではありません。
・なぜその工事が必要なのか。
・なぜその見積りになったのか。
それを分かりやすく説明してくれるかどうかです。
本当に確認したいのは調査時間ではなく、説明の分かりやすさです。
ここまでの内容は、塗装会社選びで確認したいことの一部です。
建設業許可・自社施工・見積り・保証の【4つの基準】をあわせて見ると、会社を判断しやすくなります。
リフォーム会社にも、塗装会社にも共通する会社選びの基本を、順番に知りたい方はこちらをご覧ください。
まとめ|良い工事は良い現地調査から始まる
外壁塗装では、建物ごとに必要な工事が異なります。
そのため、現地調査はとても重要です。
- 外壁や屋根の状態を確認しているか
- 補修が必要な理由を説明してくれるか
- 写真や報告書で説明してくれるか
- 工事環境まで確認しているか
こうした点から、会社の姿勢が見えてきます。見積りの差は、現地調査の差から生まれていることもあります。
だからこそ、金額だけでなく、調査内容や説明の分かりやすさも確認することが大切です。
良い工事は、良い現地調査から始まるのです。
なお、信頼できる塗装会社の共通点については、こちらでも詳しく解説しています。
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