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収納を減らして部屋を広くできる?押入れ・クローゼットをなくす方法

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執筆:二級建築士 安藤勉
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「使っていない押入れをなくして、部屋を広くしたい」
「クローゼットを撤去すれば、家具を置くスペースが増えるのでは?」

子どもが独立した後に生活スタイルが変わり、以前ほど収納を使わなくなることがあります。

押入れやクローゼットは、撤去して部屋の一部として活用することが可能です。

ただし、収納の周囲にある壁や柱をすべて取り除けるとは限りません。

また、収納内部の床や壁が、部屋の内装と違ったり、間仕切壁を撤去すると穴が開いていたりするので、補修が必要です。

この記事では、収納をなくして部屋を広げる方法と、撤去できる条件、リフォーム前に確認しておきたいポイントを解説します。

押入れやクローゼットを撤去すると、部屋を広くできる?

押入れやクローゼットは、収納を区切る壁や扉を撤去することで、部屋と一体化が可能です。

ただし、どの部分まで取り除けるかによって、広がる範囲や使い勝手が変わります。

押入れを撤去して和室を広くする

和室の押入れは、ふすまや棚板、内部の壁などを撤去して、畳の部屋と一体化できる場合があります。

例えば、押入れをなくした場所まで床を広げれば、家具を置いたり、生活スペースとして利用したりできます。

ただし、押入れ内部の床は、畳が敷かれた部分と構造や高さが異なることがあります。

また、押入れの両側にある柱や壁が、建物を支える役割を持っている場合もあります。

そのため、押入れの内部だけを改造するのか、周囲の壁まで撤去するのかによって、工事内容が変わります。

クローゼットを撤去して洋室を広くする

洋室に設けられたクローゼットも、扉や内部の棚、間仕切り壁などを撤去して部屋と一体化できる場合があります。

ただし、収納内部に床材が張られていなかったり、壁紙が部屋と異なっていたりする場合があります。

撤去した部分を自然につなげるには、床や壁、天井の仕上げ工事が必要です。

また、クローゼットの奥が外壁に面している場合は、断熱材の状態も確認しておきましょう。

壁面収納を撤去して部屋をすっきりさせる

壁に固定された造り付け収納も、撤去できる場合があります。

収納家具が部屋の中へ張り出している場合は、取り除くことで床を広く使えるようになります。

ただし、収納家具の裏側には、壁紙や床材が施工されていないことがあります。

また、収納の中にコンセントや照明などが組み込まれている場合は、電気工事も必要です。

なお、壁に固定された収納家具を撤去するだけなら床面を広く使えるようになりますが、壁や柱で囲まれた収納の場合は、その構造を確認する必要があります。

収納撤去でどこが問題になる?

収納をなくす工事で最も重要なのは、撤去する壁や柱が建物を支えているかどうかです。

建物の構造によって取り外せる壁や柱の範囲が異なります。

建物を支える壁は簡単に撤去できない

押入れやクローゼットの周囲には、部屋を仕切るだけの壁と、建物の強度を保つ役割を持つ壁があります。

地震や風による横方向の力に抵抗する壁は「耐力壁(たいりょくへき)」と呼ばれています。

壁を取り除きたい場合には、建物全体の強度を確認し、必要に応じて別の場所の補強などを検討する必要があります。

また、柱を使わず壁全体で建物を支えるツーバイフォー工法の住宅では、壁の撤去が構造に与える影響を特に慎重に確認する必要があります。

収納の柱を残す必要がある場合もある

押入れやクローゼットを撤去しても、柱だけが残る場合があります。

その柱が上の階や屋根の重さを支えている重要な構造の場合、簡単に取り外すことはできません。

しかしながら柱を残したまま、部屋を広げることもできます。

例えば、柱と柱の間をデスクスペースにしたり、格子や小さな棚を付ける方法もあります。

配管や電気配線が通っている場合がある

収納の壁や天井裏には、電気配線などが通っていることがあります。

また、住宅の間取りによっては、給排水管や換気用のダクトが収納の近くを通っている場合もあります。

これらの設備が撤去予定の壁の中にあると、移設工事が必要です。

特に、2階のトイレや洗面所が収納の上にある場合などは、配管の経路を確認しておきましょう。

収納をなくした後、床・壁・天井はどうなる?

押入れやクローゼットを撤去すると、収納の内部と部屋の仕上げが異なっていることがあります。

撤去するだけで工事が終わるとは限りません。

床の高さをそろえる工事が必要になる

押入れやクローゼットの床は、部屋と同じ高さになっていない場合があります。

特に和室の押入れでは、畳の部分と収納内部で床のつくりが異なること多いため、収納を撤去した場所を生活スペースにするなら、段差をなくして床をつなげる工事が必要です。

収納内部は、居室と同じように人が歩いたり家具を置いたりする使い方を想定していないことがあるため、補強工事が必要になることもあります。

壁紙や床材を部分補修すると色が合わないことがある

収納の周囲にあった壁を撤去すると、壁紙が張られていない部分や、下地材が露出することがあります。

既存の壁紙と同じ製品が手に入ったとしても、同じ色にはなりません。部分的に補修しても色や模様の違いが目立つことがあります。

床材も同様です。収納を撤去した部分だけ新しいフローリングを張ると、既存の床との間に色や木目の違いが発生します。

部屋全体の仕上がりをそろえたい場合は、床や壁紙は全体の張り替えが必要になります。

天井に段差や仕上げの違いが残る場合がある

収納の上部に壁や下がり天井がある場合、撤去後に天井の高さがそろわないことがあります。

天井裏に梁や配管などが通っている場合は、その部分を残す必要があります。また、収納の天井には居室と同じ仕上げ材が使われていない場合があります。

部屋を一体化する際には、収納を撤去した後の天井をどう仕上げるかまで確認しておきましょう。

収納を撤去した場所の活用方法

収納をなくして生まれた空間は、部屋全体の広さや形によって使い方が変わります。

ベッドや家具を置くスペースにする

寝室のクローゼットを撤去すると、ベッドやチェストなどの配置を変えることができます。

例えば、ベッドの横に通路を確保したり、家具と家具の間を広げたりする使い方です。

ただし、収納の奥行きが浅い場合は、大きな家具を置けないこともあります。

部屋の寸法だけでなく、家具の大きさや扉の開閉スペースまで確認しましょう。

机や趣味のスペースにする

押入れやクローゼットを撤去した場所を、作業スペースとして利用する方法もあります。

例えば、机を設置すれば、読書やパソコン作業などに使えます。

ただし、壁で囲まれた奥まった場所では、暗くなるため照明が不足しがちです。

机を置く場合は、コンセントの位置や椅子を引くためのスペースも必要です。

和室と一体化して広い生活空間にする

和室の押入れを撤去し、その部分まで畳や床材を広げる方法もあります。

例えば、布団を敷くスペースを増やしたり、タンスを置くスペースとして使えます。

ただし、収納の奥行き分だけ広がっても、柱や壁が残ることがあるため、家具を置く場所や人の動線を考えて、撤去する範囲を決めましょう。

収納を減らすと後悔する?工事前に考えたいこと

収納をなくすと部屋を広く使える一方、収納量が減ります。

特に、押入れやクローゼットを全部撤去する場合は、その後の暮らしを考えておく必要があります。

今ある収納物をどこに移すか決めておく

収納を撤去する前に、現在しまっている物を確認しましょう。

例えば、押入れには布団や季節用品、衣類などが収納されていることがあります。

それらを別の場所へ移す必要がある場合、収納家具が増えてしまう可能性があります。

収納を撤去したのに、部屋に大きな収納家具を置くことになれば、広くした効果が小さくなることもあります。

収納をなくす前に、今ある物の収納先を決めておくことが大切です。

将来必要になる収納も考える

現在は使っていない収納でも、将来必要になる可能性があります。

例えば、子どもが独立して衣類が減ったとしても、季節の寝具や日用品などを保管する場所は必要です。

また、年齢を重ねると、重い物を高い棚から取り出すことが負担になる場合があります。

収納を減らす際は、単に収納量を減らすのではなく、使いやすい場所に必要な収納を残すことも考えましょう。

部屋が広くなっても使いにくい形になる場合がある

収納を撤去すると床面積が広がっても、部屋の形によっては使いにくいことがあります。

例えば、奥行きの浅い収納を撤去した場合、壁の一部がくぼんだような形になることがあります。

その場所に家具を置けなければ、実際には有効活用できない可能性があります。

収納を撤去する前に、広がった場所を何に使うのか具体的に考えておきましょう。

収納をなくすリフォームの費用は何で変わる?

収納を撤去する費用は、収納の種類や大きさ、工事の範囲によって変わります。

例えば、収納家具を取り外すだけの場合と、押入れの壁や床を撤去して居室と一体化する場合では、工事内容が異なります。

費用に影響する主な項目は、次のとおりです。

  • 押入れやクローゼットの解体・撤去
  • 柱や壁を残すための調整、必要な補強
  • 床の高さ調整や下地補強
  • フローリングや畳の施工
  • 壁紙や天井材の補修・張り替え
  • 電気配線や配管の移設
  • 廃材の運搬・処分

特に、収納の周囲にある壁を撤去する場合は、構造に関係するかどうかによって工事内容が大きく変わる可能性があります。

また、古い住宅では、解体後に床や壁の傷みが見つかることもあります。

その場合は、予定していなかった補修工事が必要になることがあります。

見積もりを依頼する際は、収納の撤去費用だけでなく、撤去後に部屋として使える状態に仕上げるまでの費用を確認しましょう。

→費用を抑える自社施工とは?【2分】 

収納を撤去する前に確認したいこと

押入れやクローゼットを撤去する際は、どこまで取り除けるのかを確認する必要があります。

特に、壁や柱を撤去する工事では、住宅の構造を確認することが重要です。

工事前には、次の点を確認しておきましょう。

  1. 収納をなくした後、何に使う場所なのか
  2. 今ある収納物をどこへ移すのか
  3. 収納周囲の壁や柱を撤去できるか
  4. 床の高さや強度に問題がないか
  5. 電気配線や配管の移設が必要か
  6. 床・壁・天井をどこまで補修するか
  7. 家具を配置したときに使いやすいか

リフォーム会社には、次のように質問すると工事内容を確認しやすくなります。

「この押入れの壁や柱は、建物を支えている部分ですか?」
「収納を撤去した後、床の補強は必要ですか?」
「既存の床や壁紙と同じ仕上がりにできますか?」
「収納をなくした後の部屋の使い方に問題はありませんか?」

収納の一部を撤去するだけで必ず建築確認が必要になるわけではありませんが、住宅全体の大規模な改修と併せて行う場合は、工事内容に応じた確認が必要です。

✓ 会社選びで大切なこと

実際にリフォームを進めるときは、どの会社に依頼するかも大切です。

会社選びでまず確認したい4つのポイントをまとめています。

収納を全部なくさずに部屋を広く使う方法

収納を撤去できない場合や、収納量を減らしたくない場合は、収納の形を変更する方法もあります。

収納扉をなくしてオープンスペースにする

収納の壁や床を大きく壊せない場合は、扉や内部の棚だけを撤去する方法もあります。

例えば、押入れのふすまと中段を取り除き、奥まった空間をオープンにする方法です。

床面積自体は変わりませんが、収納の開口部が広がることで、部屋に開放感が生まれる場合があります。

ただし、収納内部の床の強度や段差などを確認し、用途に応じて補修する必要があります。

収納の一部だけを撤去する

クローゼットや押入れが大きい場合は、一部分だけを残して収納にする方法もあります。

必要な収納量を確保しながら、生活スペースを増やせる可能性があります。

ただし、収納内部の仕切りや柱の位置によっては、希望どおりに分割できない場合があります。

収納を減らして部屋を広くするリフォームのよくある質問

Q1. 押入れを撤去して部屋を広げる場合、畳や床も張り替える必要がありますか?

押入れを撤去した部分を部屋と一体化する場合は、床の高さや仕上げをそろえる工事が必要です。

既存のフローリングをそのまま利用できるかは、床の状態によって異なります。

部分的な補修で対応できる場合もありますが、床の高さや見た目をそろえるために、広い範囲を張り替えることもあります。

Q2. クローゼットをなくすリフォームはDIYでもできますか?

置き型の収納家具を撤去する程度なら、自分で対応できる場合があります。

しかし、壁に固定されたクローゼットや、間仕切り壁を撤去する工事は注意が必要です。

壁の内部には柱や電気配線などがあり、誤って撤去すると建物の強度や設備に影響するおそれがあります。

壁や床に手を加える場合は、建築の構造がわかる工務店に確認してもらいましょう。

Q3. 収納を撤去すると、部屋は何畳くらい広くなりますか?

広がる面積は、撤去する収納の幅と奥行きによって決まります。

例えば、幅1.8m、奥行き0.9mの収納をすべて居室側へ取り込める場合、計算上は約1.62㎡の床面積が増えることになります。

ただし、実際には柱や壁が残ったり、床の段差を調整したりする必要があります。

そのため、収納の面積がそのまま自由に使える床面積になるとは限りません。

まとめ|収納を減らして部屋を広げるなら、撤去できる範囲を確認する

押入れやクローゼットは、撤去して部屋の一部として利用できる場合があります。

ただし、収納の周囲にある壁や柱が建物を支えている場合は、自由に撤去できるわけではありません。

また、収納内部の床や壁、天井は、部屋と同じ仕上げになっていないことがあります。

撤去後に生活スペースとして使うなら、必要な補強や内装工事まで考えておくことが大切です。

収納を減らすことで、家具の配置や生活動線を改善できる場合がありますが、収納物の移動先を決めずに撤去すると、かえって部屋が片付かなくなる可能性もあります。

まずは収納をなくした後の使い方を考え、住宅の構造と必要な工事を確認しましょう。

リフォーム会社を選ぶ際は、壁や柱の撤去について適切に判断できるか、工事後の仕上がりまで説明してくれるかを確認することが大切です。

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