公開:

更新:

間取り変更リフォームで耐震性は落ちる?工事と同時に耐震補強をおすすめする理由を建築士が解説

【この記事は約3分で読めます】
執筆:二級建築士 安藤勉
→詳しいプロフィールはこちら

「リビングをもっと広くしたい」
「2部屋を1つにつなげたい」
「使っていない部屋の壁を取りたい」

このような間取り変更リフォームを考えている方も多いでしょう。

間取りを変更すると、今までより暮らしやすい住まいにできる一方で、壁を撤去することで耐震性に影響する場合があります。

特に注意したいのが、撤去する壁が「耐力壁」だった場合です。

この記事では、間取り変更で耐震性が低下する理由や、耐震補強を同時に行うメリットについて建築士がわかりやすく解説します。

間取り変更で耐震性が落ちることはある

結論からいうと、間取り変更の内容によっては耐震性が低下する可能性があります。

特に注意が必要なのが、壁や柱を撤去するリフォームです。

住宅の壁には、部屋を仕切るだけの壁だけではなく、地震や強風による横方向の力に抵抗する「耐力壁」があります。

この耐力壁を必要な補強なしに撤去すると、建物の耐震性に影響する可能性があります。

すべての壁が耐力壁ではない

「壁を取ったら耐震性が落ちる」と聞くと、

「リフォームでは壁を撤去できないの?」

と心配になるかもしれません。

しかし、住宅にあるすべての壁が耐力壁というわけではありません。

単純に部屋を仕切るための間仕切り壁もあります。

そのため、壁を撤去する前に、

「この壁は建物を支える役割があるのか?」

を確認することが重要です。

見た目だけで判断するのは難しいため、専門家に確認してもらいましょう。

特に注意したいのがLDKを広くするリフォーム

間取り変更でよくあるのが、複数の部屋をつなげて広いLDKにするリフォームです。

例えば、

「和室とリビングをつなげたい」
「リビングと隣の洋室を一体化したい」

というケースです。

このとき、部屋を仕切っていた壁を撤去することがあります。

もし、その壁が耐力壁だった場合は、撤去後の耐震性を考えて別の場所に耐力壁を設けるなどの対応が必要になることがあります。

大きな窓を設置する場合も注意

間取り変更では、壁を撤去するだけでなく、

「もっと明るい部屋にしたい」

という理由で窓を大きくすることもあります。

しかし、窓を大きくすると、その部分の壁が少なくなります。

特に、窓の幅を広くする場合は、建物の耐震性にも影響する可能性があります。

そのため、大きな窓を設置する場合も、構造への影響を確認することが大切です。

耐震性は「壁の量」だけで決まらない

耐震性を考えるとき、「壁を増やせば強くなる」と思う方もいるかもしれません。

しかし、重要なのは壁の量だけではありません。

耐力壁がどこに配置されているかというバランスも重要です。

例えば、建物の片側に耐力壁が集中していると、地震時に建物がねじれるような力を受けることがあります。

そのため、間取り変更では「壁を残せばいい」という単純な話ではありません。

間取り変更と同時に耐震補強をするメリット

間取り変更を行うときは、同時に耐震性も確認することをおすすめします。

理由の一つは、壁や床を開ける工事を行うためです。

通常の状態では見えない、

  • 土台
  • 筋交い
  • 接合部
  • 下地

などを確認できる機会になります。

必要な補強工事を同時に行えば、後から再び壁や床を壊す必要を減らせます。

工事費を抑えられる場合もある

間取り変更と耐震補強を別々に行うと、

「一度工事をした後に、もう一度壁を開ける」

といったケースが生じる可能性があります。

同時に工事できれば、解体や復旧をまとめられるため、結果的に費用を抑えられる場合があります。

ただし、実際の費用は住宅の状態や補強方法によって異なります。

古い住宅ほど耐震性を確認したい

特に注意したいのが、築年数の古い住宅です。

古い住宅では、

  • 現在とは異なる耐震基準で建てられている
  • 過去に増改築している
  • 図面が残っていない
  • 壁の配置が現在と変わっている

といったケースがあります。

このような住宅で大規模な間取り変更を行う場合は、耐震性も一緒に確認すると安心です。

こんな間取り変更は特に注意

次のようなリフォームを予定している場合は、耐震性への影響を確認しましょう。

  • 壁を撤去してLDKを広くする
  • 2部屋を1部屋にする
  • 大きな窓を設置する
  • 吹き抜けをつくる
  • 2階の間取りを変更する
  • 増築する

特に、複数の変更を同時に行う場合は、建物全体のバランスを見ることが重要です。

耐震補強にはどんな方法がある?

住宅の状態によって、必要な補強方法は異なります。

例えば、

  • 耐力壁を追加する
  • 筋交いを入れる
  • 構造用面材を使用する
  • 柱や梁を補強する
  • 接合部を金物で補強する

などの方法があります。

ただし、どの方法が適しているかは建物によって異なります。

「とにかく壁を増やせばいい」と考えず、耐震診断などをもとに必要な補強を検討しましょう。

間取りの希望と耐震性を両立させる

耐震性を考えると、

「希望の間取りにできないのでは?」

と心配になる方もいるでしょう。

しかし、耐震性を確認したうえで間取りを計画すれば、希望と安全性を両立できる場合があります。

例えば、どうしても壁を撤去したい場合でも、別の場所に耐力壁を設けたり、構造を補強したりする方法が考えられます。

大切なのは、間取りを決めてから耐震性を考えるのではなく、最初から両方を考えることです。

信頼できる工事会社は耐震性まで説明してくれる

間取り変更リフォームでは、単に希望どおりの間取りにするだけでは不十分です。

信頼できる工事会社なら、

  • 撤去する壁の役割
  • 建物への影響
  • 必要な補強
  • 補強にかかる費用
  • 補強しない場合のリスク

などを説明してくれます。

「この壁を取って広くしましょう」

だけではなく、

「この壁を撤去するため、耐震性を維持するにはこの補強が必要です」

と説明してくれる会社を選びましょう。

会社選びの流れを知りたい方へ

リフォームの依頼先で失敗を防ぐためには、会社選びも大切です。

リフォーム会社を選ぶときは、建設業許可・自社施工・見積り・保証の【4つの基準】の4つが特に重要だと考えています。

会社選びについて順番に知りたい方は、こちらをご覧ください。

まとめ

間取り変更リフォームでは、壁の撤去や窓の拡大などによって、住宅の耐震性に影響する場合があります。

特に注意したいのが、撤去する壁が耐力壁だったケースです。

間取り変更を検討しているなら、

  • 撤去する壁の役割を確認する
  • 建物全体の耐震性を確認する
  • 必要なら耐震診断を受ける
  • 耐震補強も同時に検討する

ことをおすすめします。

間取り変更と耐震補強を同時に行えば、工事をまとめられるだけでなく、住まいの安全性も一緒に見直せます。

「広いLDKにしたい」
「壁を減らして開放的にしたい」

という希望がある場合も、耐震性を確認しながら計画しましょう。

暮らしやすさだけでなく、これからも安心して住み続けられることまで考えてくれる工事会社を選ぶことが大切です。

間取り変更や耐震補強を、工務店・リフォーム会社などどこへ相談すればよいか迷っている方はこちらも参考にしてください。
リフォームはどこに頼む?住まいの悩み別に相談先・依頼先を建築士が解説

会社選びで迷う方へ

リフォームで失敗しないための知識は「青本・赤本」にまとめています。

青本・赤本を無料で取り寄せる>

※NHKでも紹介された冊子です
※累計100万部発行

TOP