【この記事は約4分で読めます】
執筆:二級建築士 安藤勉
→詳しいプロフィールはこちら
リフォームで複数の会社から見積りを取ったものの、「金額がバラバラで、どれが適正なのか分からない」と悩む方は少なくありません。
私たちは20年以上にわたり、全国のリフォーム会社の調査や、お客様からのご相談をお受けしてきました。その中でも、
「一番安い会社に頼んで大丈夫ですか?」
「高い会社の方が安心なのでしょうか?」
というご相談は非常に多く寄せられます。このような疑問を持つのは自然なことです。
実は、リフォームの見積りは金額だけでは比較できません。
見積書には、商品や工事内容だけでなく、会社ごとの考え方や施工方法の違いも反映されています。
そのため、価格だけで会社を選んでしまうと、
「思っていた工事内容と違った」
「あとから追加工事が必要になった」
「もっと自分に合った会社があったかもしれない」
と後悔することもあります。
今回は、価格だけでは分からない見積り比較のポイントと、後悔しない会社選びにつながる見方について、建築士の視点から分かりやすく解説します。
見積り比較が難しい理由は2つあります
見積りの金額が違う理由はさまざまですが、大きく分けると次の2つです。
- 商品や工事内容が違う
- 会社によって価格が変わる
この2つを確認しないまま金額だけを比較すると、本当に自分に合った会社を選ぶことは難しくなります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①商品や工事内容が同じか
まず確認したいのは、見積りの内容が同じ条件になっているかです。
リフォームの見積りは、大きく分けると「商品」と「工事内容」で構成されています。そのため、この2つが同じ条件になっていなければ、金額だけを比較しても正しく判断することはできません。
例えば、商品の違いは比較しやすい部分です。見積書や商品の仕様書を見ると、
- メーカーや商品名
- グレード
- 材質
- 性能や機能
などが記載されていることが多く、一つずつ見比べることで違いが分かります。
一方で、工事内容は一般の方には分かりにくい部分です。例えば、同じリフォームでも、
- どこまで解体・撤去を行うのか
- 下地の補修や調整を行うのか
- 完成すると見えなくなる部分まで工事するのか
によって、工事内容や費用は大きく変わります。また、現場の状況によって追加工事が必要になったり、建物の状態に合わせて工事方法が変わったりすることもあります。
見た目は同じように仕上がっても、工事の内容や品質、耐久性に違いが出ることは珍しくありません。
つまり、「同じリフォーム」という言葉でも、見積りの中身は会社によって異なることがあります。
そのため、見積りは「いくらか」ではなく、「どんな商品を使い、どこまで工事を行うのか」を比較することが大切です。
工事によって確認するポイントは異なります。そのため、工事内容に応じた見積りの見方を知ることが、正しく比較する第一歩になります。
キッチンや浴室、外壁塗装、外構工事など、それぞれ確認したいポイントについては、記事の最後で工事別にご紹介しています。
②会社によって価格が違う理由
商品や工事内容が同じでも、会社によって見積金額が変わることがあります。
例えば、従業員が何十人もいる大きな会社と、数人で運営している地域密着の会社では、会社を維持するために必要な経費が異なります。
また、どのような仕組みで工事を行う会社なのかによっても価格は変わります。例えば、
- 自社で工事や現場管理を行う「工事会社」
- 営業や窓口を担当し、工事や現場管理は協力会社が担当する「リフォーム営業会社」
では、同じ工事内容でも価格が異なることがあります。
もちろん、大きな会社だから高い、小さな会社だから安いというわけではありません。
会社の規模や運営方法、広告費や店舗運営費などによって必要な経費が異なるため、同じ工事内容でも見積金額に差が出ることがあります。
また、同じ100万円の見積りでも、その内訳は会社によって異なります。
広告や店舗運営に多く費用をかける会社もあれば、品質管理やアフターサービスに力を入れる会社もあります。
そのため、金額が同じでも、何に費用をかけている会社なのかによって、リフォームの内容やサービスは変わることがあります。
つまり、見積書には工事内容だけでなく、その会社の考え方や仕事の進め方も表れているのです。
- どこまで工事を行うのか。
- どこに費用をかけるのか。
- どのような品質を目指すのか。
見積書には、その会社の考え方が反映されています。
そのため、価格だけを比較しても、本当に自分に合った会社かどうかは判断できません。
見積書は、価格を比較するためだけの資料ではありません。
その会社が、どのような考え方で工事を行うのかを知るための資料でもあります。
大切なのは、「なぜこの金額になるのか」を納得できるまで説明してもらい、その内容を理解したうえで比較することです。
会社によってリフォーム費用が変わる理由や、会社選びのポイントについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
見積り比較で迷った時の判断方法
見積書は専門用語も多く、一般の方が内容の違いを判断するのは簡単ではありません。
そのため、見積りを比較する時は、次の順番で確認すると分かりやすくなります。
①商品や工事内容は同じか
↓
②会社によって価格が違う理由は何か
↓
③なぜその金額になるのか納得できるか
この順番で確認すると、価格だけでは分からない違いが見えてきます。
また、相見積りは、一番安い会社を探すためだけに行うものではありません。本当の目的は、
- 工事内容の違いを知ること
- 適正な価格を知ること
- 誠実な会社を見極めること
この3つです。見積書の内容が分からない時は、比較している会社の担当者へ他社の見積書を見せながら、
「この見積りとの違いは何ですか?」
「どこまで工事を行う見積りですか?」
「この金額になる理由を教えてください。」
と聞いてみることをおすすめします。
こうした質問に対して、分かりやすく説明してくれる会社であれば、内容を理解しやすくなるだけでなく、その会社の考え方や対応姿勢も見えてきます。
一方で、極端に安い見積りには、工事内容が省かれていたり、後から追加工事や追加費用が発生したりするケースもあります。
逆に、高い見積りだから安心とも限りません。
大切なのは、「いくら安いか」ではなく、「なぜその金額になるのか」を納得できるまで説明してくれる会社を選ぶことです。
リフォームの依頼先で失敗を防ぐためには、会社選びも大切です。
リフォーム会社を選ぶときは、建設業許可・自社施工・見積り・保証の【4つの基準】の4つが特に重要だと考えています。
会社選びについて順番に知りたい方は、こちらをご覧ください。
まとめ
リフォームの見積り比較が難しいのは、商品や工事内容、会社によって価格が変わるためです。
比較する時は、まず「どんな商品を使うのか」「どこまで工事を行うのか」が同じ条件になっているか確認しましょう。
そして、「なぜこの金額になるのか」を理解することで、その会社の考え方や仕事への姿勢も見えてきます。見積りは、一番安い会社を探すためだけに取るものではありません。
工事内容の違いや適正な価格を知り、誠実な会社を見極めることも大切な目的です。
価格ではなく、「なぜその金額になるのか」を比較すること。それが、自分に合ったリフォーム会社を見つける一番の近道です。
工事別の見積り比較について詳しく知りたい方へ
リフォームは工事内容によって、見積りで確認したいポイントが異なります。
詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
水まわり
内装・住宅設備
外まわり
リフォーム会社選びで迷う方へ
リフォームで失敗しないための知識は、無料冊子「青本・赤本」にもまとめています。

※NHKでも紹介された冊子です
※累計100万部発行