執筆:二級建築士 安藤勉
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リフォームを考え始めた時、「100万円くらいでできるかな」と思っていたのに、見積りを見ると150万円、打ち合わせを重ねるうちに200万円近くになることもあります。
このように、「思ったより高くなった」というご相談は少なくありません。
私たちは全国で20年以上、リフォーム会社の審査や、お客様からのご相談をお受けしてきました。
その中で予算オーバーになった理由をお聞きすると、工事店だけが原因ではなく、お客様の要望や建物の状況によって費用が増えているケースも多く見られます。
予算オーバーは珍しいことではありません。大切なのは、なぜ予算が増えるのかを知り、あらかじめ対策を考えておくことです。
今回は、リフォームで予算オーバーしやすい人に共通するポイントや、防ぐための考え方について説明します。
予算オーバーは珍しいことではない
リフォームでは、最初に考えていた金額と、実際の見積り金額が違うことがあります。
これは工事店が高い見積りを出したというより、工事内容が具体的になることで、必要な工事が見えてくるためです。
そのため、予算オーバー自体は珍しいことではありません。
私たちがご相談を受ける中でも、「工事店が高かった」というより、「工事内容が増えた」「もっと使いやすい設備を選んだ」という理由で予算が変わったケースが多く見られます。
例えば、キッチン交換だけの予定だったものが床や壁紙も気になり始めたり、浴室工事の予定が洗面所や給湯器交換まで広がったりすることがあります。
リフォームは計画を進めるほど選択肢が増えるため、予算も変わりやすい工事なのです。
予算オーバーの原因は一つではない
リフォームで予算オーバーになる原因は、一つではありません。
私たちが20年以上ご相談を受ける中で多いのは、次のようなケースです。
・設備のグレードアップ
・工事範囲が広がる
・解体後に追加工事が必要になる
・見積りに含まれていない工事がある
・打ち合わせを重ねるうちに要望が増える
もちろん、工事店によって見積り金額は異なります。しかし、「工事店が高いから」という理由だけではなく、お客様の希望や建物の状態によって費用が増えることも少なくありません。
予算オーバーを防ぐためにも、それぞれの原因を知っておきましょう。
設備のグレードアップで費用が増える
予算オーバーの原因として多いのが、設備のグレードアップです。
例えば、キッチンやユニットバスを選ぶ時、最初は標準仕様を考えていても、ショールームを見ると便利な機能や高級仕様が気になることがあります。
食洗機を深型にしたり、収納を増やしたり、人工大理石の天板に変更したりと、一つひとつは数万円〜十数万円でも、積み重なると予定より大きく予算が増えることがあります。
ショールームは夢が広がる場所ですが、あらかじめ予算の上限を決めて見学することも大切です。ショールームで気になる設備を次々に追加してしまう方は、予算オーバーになりやすい傾向があります。
工事範囲が広がることもある
工事を考え始めると、「せっかくだから、ここも一緒に」という気持ちになることがあります。
例えば、浴室工事の予定が、
・洗面所
・給湯器
・内窓
・脱衣所の壁紙
まで広がることもあります。特に築15〜20年以上の住宅では、
・給湯器も古い
・壁紙も傷んでいる
・床も張り替えたい
というように、気になる場所が次々と見つかることも少なくありません。もちろん悪いことではありませんが、工事範囲が広がれば費用も増えていきます。
「せっかくだから」と工事を広げていく方も、予算オーバーになりやすい傾向があります。
解体して初めて分かる工事もある
リフォームでは、壁や床を解体して初めて分かることがあります。例えば、
・土台の腐食
・シロアリ被害
・給排水管の劣化
・下地の傷み
などです。これらは壁や床を解体しないと確認できないため、契約時の見積りには含まれていないことがあります。
そのため、追加工事が必要になる場合がありますが、大切なのは「なぜ必要なのか」を工事店がきちんと説明してくれることです。
追加工事が必要になった場合は、理由や金額について十分な説明を受け、納得したうえで工事を進めることが大切です。
見積りに含まれていない工事にも注意
予算オーバーになる原因として、見積書の内容にも注意が必要です。例えば、
・足場代
・廃材処分費
・養生費
・諸経費
などが別途工事や別途費用となっているケースもあります。
最初は安く見えても、見積りに含まれていない工事があると、あとから追加費用が発生することがあります。そのため、金額だけでなく、「何が見積りに含まれているのか」「別途工事はあるのか」を確認することが大切です。
最初に優先順位を決める
予算オーバーしやすい方には、共通点があります。
それは、「どこまでやるか」を決めないまま見積りを依頼していることです。予算と希望のバランスを考えながら、優先順位を決めることが大切です。迷った時は、
・絶対にやりたい工事
・できればやりたい工事
・今回は見送る工事
の3つに分けて考えると整理しやすくなります。
一方で、すべての要望を予算内で実現しようとして極端に安い見積りを選んでしまうと、工事内容や工事後のサポートまで含めて、本当に希望どおりのリフォームになるのか確認が必要です。
また、予算オーバーになりそうな時に、何を優先し、何を後回しにするのかを一緒に考えてくれる会社の方が安心です。
そのため、金額だけでなく、提案内容や相談のしやすさも会社選びでは大切になります。
予算オーバーを防ぐ5つのポイント
予算オーバーを防ぐためには、次の5つを意識すると安心です。
①予算の上限を決める
最初に「ここまでは出せる」という上限を決めておくと、設備選びや工事内容を調整しやすくなります。
②工事の優先順位を決める
「絶対に必要」「できればやりたい」「今回は見送る」に分けて考えると、予算を整理しやすくなります。
③ショールームでは冷静に比較する
便利な設備ほど魅力的ですが、本当に必要な機能かどうかを考えながら選ぶことが大切です。
④見積書の内容を確認する
金額だけでなく、どこまで工事が含まれているのか、追加費用が発生する可能性はないかも確認しましょう。
⑤相談しやすい会社を選ぶ
限られた予算の中で、「どこを優先し、どこを調整するか」を一緒に考えてくれる会社の方が、満足度の高いリフォームにつながります。
予算オーバーを防ぐためには、「安い会社」を探すことよりも、「予算内で何を優先するか」を一緒に考えてくれる会社を選ぶことが大切です。
ここまでの内容は、会社選びで確認したいことの一部です。
リフォームで予算オーバーを防ぐためには、金額だけで会社を選ぶのではなく、
①建設業許可
②自社施工
③見積りの分かりやすさ
④工事後の保証
の4つのポイントを確認することも大切です。会社選びで迷った時は、こちらの記事も参考にしてください。
見積りを見る時の注意点
予算オーバーを防ぐためには、見積書の内容を確認することも大切です。例えば、
・何にいくらかかっているのか
・本当に必要な工事なのか
・優先順位に合っているのか
・後から追加費用が発生しそうな項目はないか
などを確認しておくと安心です。
見積りを見るポイントについては、こちらの記事でも詳しく説明しています。
よくある質問
Q.リフォームでは予算オーバーはよくありますか?
珍しいことではありません。
設備のグレードアップや工事範囲の拡大、解体後の追加工事などによって、当初の予定より費用が増えることがあります。
大切なのは、「なぜ予算が増えたのか」を理解し、必要な工事かどうかを確認することです。
Q.予算は途中で変更できますか?
変更できます。
ただし、契約後や工事開始後は変更できない内容もあります。
設備の発注後や工事が進んでから変更すると、追加費用が発生する場合もあるため、気になることは早めに相談しましょう。
Q.値引き交渉をした方がいいですか?
極端な値引きを求めるよりも、工事内容の優先順位を整理した方が、満足度の高いリフォームにつながります。
必要な工事と、今回は見送る工事を整理することをおすすめします。
Q.相見積りは何社がおすすめですか?
一般的には2〜3社程度がおすすめです。価格だけでなく、提案内容や担当者との相性も比較しやすくなります。
Q.予算が足りない場合は工事をあきらめた方がいいですか?
必ずしもそうではありません。工事内容の優先順位を見直したり、工事を2回に分けたりすることで、予算内に収まる場合もあります。まずは工事店へ相談してみましょう。
まとめ|予算オーバーを防ぐには「優先順位」が大切
リフォームで予算オーバーになる原因は、工事店だけではありません。
設備のグレードアップや工事範囲の拡大、追加工事などによって、費用が増えるケースも少なくありません。
また、予算オーバーしやすい方には、
・設備を追加してしまう
・工事範囲を広げてしまう
・見積書を十分確認しない
・優先順位を決めないまま進めてしまう
といった共通点があります。
予算オーバーを防ぐために大切なのは、値引き交渉ではなく、「何を優先するか」を整理することです。迷った時は、
・絶対にやりたい工事
・できればやりたい工事
・今回は見送る工事
の3つに分けて考えると整理しやすくなります。
また、限られた予算の中で「どこを優先し、どこを調整するか」を一緒に考えてくれる会社を選ぶことも、後悔しないリフォームにつながります。
工事内容によって予算オーバーの原因は異なる
ここまで、リフォーム全体で予算オーバーしやすい人の共通点について説明しました。
ただし、予算オーバーになる原因は、工事内容によって異なります。ご自身が検討している工事に近い内容があれば、ぜひ参考にしてください。
水回りリフォーム
キッチンや浴室などの水回りは、設備のグレードやオプションによって費用が大きく変わりやすい工事です。
住まい全体のリフォーム
工事範囲が広いリフォームは、追加工事や要望の増加によって予算が変わりやすくなります。
将来を見据えたリフォーム
老後や介護を見据えたリフォームでは、将来を考えて工事内容が増えることがあります。
外装リフォーム
外壁や屋根は、見えない部分の劣化が見つかることで補修工事が追加になることがあります。
リフォーム会社選びで迷う方へ
工事内容によって予算オーバーの原因は異なりますが、共通して大切なのは、信頼できる会社と一緒に計画を進めることです。
リフォームで失敗しないための知識は、無料冊子「青本・赤本」にもまとめています。
ご家族と相談する際の参考資料として、ぜひご活用ください。

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