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知らない業者が突然訪問してきて「屋根の板金が浮いてる」「お宅の屋根が傷んでいますよ」と言われたり、家を建てたハウスメーカーが定期点検後「外壁と一緒に屋根も塗装をしましょう」と勧められたりします。屋根塗装は本当に必要でしょうか?
自動車を長い間洗わずに放置すると泥だらけになってしまいます。家も5年経てば汚れてきたり、屋根にコケや藻が発生してくることもあります。家や車が汚れたままの状態は気持ちの良いものではありません。汚れなどをキレイに落として屋根を塗り替えると、まるで新築のような外観に蘇ります。
屋根塗装は、見た目を美しく、家を長持ちさせるために必要なメンテナンス工事です。不具合をなおし、屋根をキレイに塗り替えると強い日差しや雨水から家を守ってくれます。屋根塗装は家を保護するバリアみたいなものです。
一般的に屋根を塗り替えるタイミングは、10年前後が目安と言われていますが、屋根材によってメンテナンス方法が変わります。日本の住宅の屋根は、スレート瓦やセメント瓦、金属瓦や昔からある日本瓦などで葺いてあります。日本瓦は基本的に塗装しません。日本瓦のメンテナンス方法は、瓦のズレを直したり、瓦が飛んだり割れた場合は差し替えます。
スレート瓦や、セメント瓦、金属瓦は定期的な塗装メンテナンスが必要です。屋根材の状態が良ければ、塗装の時期を先延ばしにしても問題ありませんし、台風や地震などの災害が起これば早めにメンテナンスが必要になります。屋根が劣化していないか?まだ塗装しなくても大丈夫なのかを知っておく必要があります。
屋根を見ると色あせやコケが生えていたり、屋根材のズレやひび割れ、金属屋根の場合はサビが発生していたりします。このような状態が続いてしまうと、屋根が水を含み、破損してしまうばかりでなく、雨水が内部に侵入し、建物を傷めてしまいます。
台風や地震など災害の後は特に気を付けましょう。大きなひび割れが発生している場合は、早めのメンテナンスをオススメします。
自宅の屋根塗装はいくら位必要か?相場を知っておくとメンテナンス費用の積み立てる目安になります。一般的な戸建て住宅の屋根を塗り替える費用を坪数別に一覧にしています。実際の建物形状や屋根材によって金額が変わってきますが、参考にされてください。
25坪 |
費⽤相場︓35〜45万円 施⼯⽇数︓7⽇ |
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30坪 |
費⽤相場︓40〜50万円 施⼯⽇数︓7⽇ |
35坪 |
費⽤相場︓45〜55万円 施⼯⽇数︓7⽇ |
40坪 |
費⽤相場︓50〜60万円 施⼯⽇数︓7⽇ |
45坪 |
費⽤相場︓55〜65万円 施⼯⽇数︓10⽇ |
50坪 |
費⽤相場︓60〜70万円 施⼯⽇数︓10⽇ |
屋根:スレート瓦 塗料:シリコン樹脂 として算出
屋根塗装と一緒に外壁の塗り替えをすると、別々に塗装するよりも費用を安く抑えることができます。30坪の戸建て住宅で屋根と屋根を塗装すると80万円から120万円位が相場です。
屋根塗装の必要性や劣化のサイン、費用相場をお伝えしてまいりました。ここでは、屋根塗装が具体的にどのような工程で進んでいくか?解説します。
自分で屋根を点検することは困難です。屋根工事の前に「屋根がどのような状態か?」点検や診断を専門家に必ず依頼しましょう。点検診断の結果、まだ数年メンテナンスしなくても大丈夫な場合もありますし、屋根塗装では困難な場合は屋根を葺き替えるなど別のメンテナンス方法が必要になることもあります。
屋根材や状態、ご予算に合わせて最適な塗料やメンテナンス方法を決めましょう。塗料の色やデザイン、工程の確認を行い、塗装会社と契約を結びます。
屋根塗装工事が始まる前に、近所の方々にご挨拶をオススメします。近隣挨拶の際、工事車両の出入りの他、足場を掛けるときや高圧洗浄の作業時に音が出ることを近所の方にお伝えしましょう。
屋根を塗装するには、足場が必要です。足場を掛け終わった後に、高圧洗浄の水や塗料が飛び散らないようにネットで家を包み込みます。屋根がひび割れていたらリニューアル後に高圧洗浄を行います。
屋根塗装は一般的に下塗り、中塗り、上塗りの3工程で行います。下塗りは、仕上げ塗料の密着を良くするために行う工事です。下塗り塗料が乾いたら仕上げ塗料を2回塗ります。1回目を中塗り、2回目を上塗りと呼びます。中塗りが乾いたら上塗り塗料で仕上げます。
屋根塗装に合わせて、付帯部と呼ばれる庇や軒天井、破風も一緒に塗装すると見た目がキレイになります。
最後に塗り残しがないか?チェックをして足場を解体します。足場解体時も音が出ますので、なるべく9時以降に作業をお願いしましょう。工事完了後、引き渡し書にサインして屋根工事が完了します。
屋根塗装工事の期間は、5日から7日程度が目安です。雨や雪が降ったり、強風時や気温が5度を下回る場合は、塗装工事ができないため工期が伸びます。寒い地域では霜が降って屋根が乾くまで作業ができないこともあります。
ウレタン塗料は、これまで屋根塗装で一番よく使われてきた塗料でした。価格や性能のバランスは良い塗料ですが、シリコン塗料に比べると耐久年数が短いため、シリコン塗料が主流になりました。
戸建て住宅の塗り替え工事に使われる塗料のほとんどがシリコン塗料です。価格と性能のバランスが良く、ウレタン塗料に比べ耐久性、防カビ性、防汚性などが優れています。
フッ素塗料は、他の塗料に比べると耐久性が抜群に高いのが特徴です。以前に比べると価格は下がってきていますが、それでも他の塗料に比べると高価です。
最近使われ始めた「ラジカル塗料」と呼ばれるものがあります。ラジカル塗料は正確には「ラジカル制御型塗料」と言います。ラジカル塗料のベースとなる樹脂の大半は、シリコン樹脂です。シリコン塗料に「プラスアルファの機能」が加わった塗料とお考えください。
屋根塗装に使われるラジカル塗料の耐用年数は、シリコン塗料とフッ素塗料の中間位で12年程度と言われています。一般的なシリコン塗料と価格がさほど変わらないため、近年塗装業界で注目されている塗料です。
遮熱塗料や断熱塗料、と呼ばれるものがあります。これらはラジカル塗料と同じ「プラスアルファの機能」が加わった塗料です。遮熱塗料や断熱塗料は、大きな工場や住宅の屋根を塗り替える場合には効果あるためオススメです。市町村によっては遮熱塗料で屋根を塗り替えると補助金が出る場合があります。
家を長持ちさせるには定期的な屋根塗装やメンテナンスが欠かせません。自分で塗料を買ってDIYで屋根を塗り替える作業はとても危険です。屋根塗装工事はプロにお任せしましょう。ここでは、屋根塗装の費用を抑える方法をまとめています。
家を建てたハウスメーカーや、リフォーム会社に屋根塗装を依頼しても実際に屋根塗り替え工事を行うのは地元の塗装工事店です。屋根塗装の費用を抑えるには、地元の塗装工事店に依頼するのが一番です。
予算オーバーした場合は、塗料のグレードを下げると費用が抑えられます。しかし、安い塗料は、耐用年数が短いため、数年程度で塗装工事が必要になってきます。耐用年数、価格と性能のバランスが良い塗料を選びましょう。
屋根塗装は一般的に春と秋が忙しく、真夏や梅雨時期、冬が閑散期と言われています。春と秋は、気温、湿度ともに安定しているため、人気のシーズンです。閑散期に屋根塗装工事を依頼すると費用を抑えることが可能な場合があります。ただし、天候不順で通常の工事日数よりも伸びてしまう可能性があるため注意が必要です。
屋根塗装の窓口や依頼先は、家を建てたハウスメーカーや工務店、地元のリフォーム会社、塗装工事店など様々です。ここでは、屋根塗装の業者選びのポイントをまとめています。
屋根塗装は、屋根診断の結果、数ある塗料の中から最適な塗料を選ぶ知識と経験が必要です。塗料選びで失敗すると、塗料の膨れや剥がれが発生してくることがあります。また、下地処理が間違っていた場合は、仕上げ塗料が密着してくれません。確かな知識と経験豊富な塗装工事店へ依頼しましょう。
信頼できる担当者は、誠実で説明もわかりやすいのが特徴です。数ある塗料の中から最適なメンテナンス方法を提案してくれます。見積書、契約内容、工事の流れや、保証についてもわかりやすく説明してくれます。
屋根塗装の後、しばらく快適に使えていても、年数が経過すると不具合が出てくることがあります。わからないことや、質問など相談できる塗装会社がオススメです。地元塗装工事店であれば小回りがきいて安心です。
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